りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2012年03月

リバーシブルの、裏・表

昨日のポカポカ陽気とは打って変わって、今日は雪...
しかも吹雪...

明日にかけて、さらに大荒れになるらしいが、
“春の嵐”なんてキレイな言葉では済まされないほど、この地方の雪は切実だ

今年の春は、本当に遠い
でも着実に春は近づいている

...という訳で、
今季お世話になっていたフリースの上着を片付けることにした

それは、春まだ遠い、私のちょっとした足掻きでもある


フリースは、確か洗濯機で洗えたはず...
『でも一応、洗濯ネットに入れて洗った方がいいのかな...』

確認のため、とりあえず表示を見てみた

やはり『ネットに入れて――』となっている

...だよね
やっぱりネットだよね...

がっ!!
問題は、その前に書かれてある文言だった

『“裏返して”ネットに入れて洗ってください』――

裏返すの...?
裏返さなきゃダメなの...?

これ、リバーシブルなのに...?

どっちが裏で、どっちが表...?


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抗がん剤は、是か非か...

「抗がん剤は効かない」

「副作用が出るのは、その抗がん剤が効いてない証拠」

などということを、最近よく耳にするようになった

専門家の間では色々と議論もあるようだが、
素人の...患者である私からすると、
『何を信じていいのか...』と戸惑ってしまうのも正直なところ

とりあえず、『医師の言うことは聞いておきたい』

事実、抗がん剤によって救われている命は多い

手立てが無くなれば、そのあとはほかを頼るかもしれないが...
例えば、民間療法や健康食品などの類だ

実際、周りには何の根拠もないそれらの情報を鵜呑みにして、
医師から処方された薬や治療をやめて病気が悪化したり、
危うく命を落としそうになった人たちを見ている

それに、そんな簡単なことで病気が治るなら、
今の医学はもっと発展してる
死ぬ人、減ってる

“患者に優しい薬”
“病気が良くなる薬”――

そこには日夜、研究してくれてる人がいる
日々、努力してくれてる人たちがいる

実際、“分子標的薬”などの開発も目覚ましい

“薬”である以上、毒にもなる
副作用の存在しない“薬”など、皆無に等しいとも思う


以前、臨床試験として行われていた“抗がん剤感受性試験”

2004年11月、高度先進医療として承認され、
その後、2008年1月23日に保険適用になったようだが、
それでもまだ一般的には行われていないだろう

 “抗がん剤感受性試験”とは――
  患者から取り出したがん細胞をそれぞれの抗がん剤と培養し、
  その患者に最も効果のある抗がん剤を見つけるというもの

がん患者には...これからのがん治療には、
とても希望の持てる治療法である


何を選択すべきか――

それは、人それぞれであろう

何が正しいのか...
自分は何を求めているのか...

情報が氾濫するこの世の中で、
見極める目を持つことが大切なのではないかと思う

ブレない強い心で...
惑わされない信念で...


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あの日――

3月21日――
それはがんサロンの日だった

「ヤバい! バスに乗り遅れる!!」

ゴタゴタしているうち、いつの間にか家を出る時間になっていた
午後1時20分を過ぎて、慌てて家を出る

外に出て、50mほど歩いただろうか
向かいから、けたたましくサイレンを鳴らして救急車がやって来た

「また...?」

この辺りは住宅地ということもあって、救急車が来るのは日常茶飯
だからこの時はあまり気にもしていなかったのだが...

私は何気に救急車を目で追った

イヤな感じは的中
私の家の方に入って行った

その道は、数件先は行き止まりになっている

「完全にうちの近くじゃん。大事でなければいいのだけど...」

そうこうしてるうち、今度は消防車の音が...

「まさか、こっちに来ないよね...」

...来た!!
こっちの道へ入ってきた!!

「火事...?」

でも燃えている気配はない
だとしたら消防車はレスキューで来てるのか...?

迷った

戻るべきか否か...

サロンには多少遅れても、事の真相を知りたい
もし火事だとしたら、大切な物とか運び出さなきゃならないし...

でもその日は遅刻せず、サロンに行く必要があった

どうやら火事のような騒ぎは感じられなかったので、
私は後ろ髪を引かれつつもバス停に向かった

「帰ったら、家、なかったりして――」

なんて、最悪なシナリオを描きながら...


街に着いて、
サロンの会場でもあり、私の通院先でもある病院まで歩いた

病院に近づいた時、
再びけたたましくサイレンを鳴らした救急車がやって来た

時間的に言っても、間違いなくさっきの救急車だと思った


なんともイヤな気持ちを抱きながら、私はその日一日を過ごした

数日後、新聞の死亡欄に目を通した
それは、毎日の、私の日課でもあった

「まさか...」

やはり最悪の事態になっていた

私の家の、3件先だった

38歳、葬儀終了
喪主は“母”――

亡くなったのは娘さんだ
死亡日時も合致していた

あまりにも痛ましい...


あの日の救急車と消防車は...

あらぬ妄想が頭の中で渦巻く――


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がんサバイバーの社会的排除 ~中間報告~ ⑤

5.時間をかけ徐々に自分を解放し、社会を肯定的にとらえる
 社会生活において、理解が得られた満足感や自らが適応できていることに実感を得るためには、時間が必要だと感じていた。時間の経過の中で自分自身を受け入れ精神的に落ち着きを取り戻し、今の社会に生きることに肯定的な気づきを得ていた。
 以下が、その語りである。

・「理解してもらえた」という満足感を感じる場面を経験した
・病気のことを徐々にオープンにできるようになった
・社会への適応には時間が必要ととらえる
・がんになったことで導きや救われた命を感じ、
 感謝しながら焦らないようにしている
・自ら発信することで、得られるものもある
・自分の社会復帰に関しては、
 「運が良かった」とか、「恵まれている」と思う面もある


◎考察
 一般社会ではまだまだ“がん”に対する認識に偏りがあり、思うように社会に受け入れてもらえない現状があった。そのためがんを経験した人は、役割や対人関係を維持するために病気を隠すことで対処する傾向にある。これは健康的な社会生活を送るためには限界があるものと考えられる。
 しかし、今回の対象者は、がん患者同士で情報を共有するなど対処法を知る機会を活用していた。また、対処を重ねることにより、時間をかけて落ち着きを取り戻す努力をされていた。

 今回は数名のインタビューによる調査だったが、今後はサロン等の患者会に参加する方々と併せて一般外来患者等も含めた大規模な調査が必要と思われる。そして、これらの現状が多くのがんサバイバーの経験と一致するかについて検証を行い、その結果を公表することで、社会のがんサバイバーが置かれる現状に対する理解を得ていくことが必要と考えられる。

 以上が今回のインタビューによる結果である。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

※この結果について、
 言い回しなど多少変更させていただいた箇所があること、お赦しください。


今回のインタビューは、私も協力させていただきました。

現在、この分析結果に基づいてのアンケート調査も行われています。
がんサバイバーのみなさんには、今後も有益な情報を提供できればと思っています。
そして、社会に対しても、深く理解を求めていきたい。

  ――がん患者に優しい日本へ
     差別のない日本へ――

そう願ってやみません。


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がんサバイバーの社会的排除 ~中間報告~ ④

3.病気である自分を隠すことで、人との関係に溝が生まれる
 職場・近所・家庭といった元々の生活の場では、「周りに心配をかけたくない」という思い、あるいは「自分は迷惑な存在」という劣等感から自分の気持ちに蓋をして元気に振る舞うなど、自らの状態を隠している現状があった。その結果、人との関係に溝が生まれる。そしてその溝の大きさは、元々人との交流が好きかどうかで左右されると認識されていた。
 語りの例としては、次のような内容が挙げられる。

・病気のことを知られないよう、人を遠ざける
・身内に心配をかけたくないと思う
・「自分は迷惑な存在」という負い目や遠慮から、気持ちに蓋をする
・無理をして元気に振る舞う
・周囲に病気のことを隠している
・陰で何と言われているのか気になる
・元々人との交流が好きかどうかで、社会に溶け込めるか否かが決まる


4.信頼できる情報と仲間を見つけることで、自分自身を受け入れる
 同じがん患者や過去にがん患者との付き合いがあった人など、本当に自分を理解し力になってくれる人や信頼できる医療者、そして情報を探し出し、それらを活用することで自分で自分を受け入れていた。気兼ねを感じながらも「社会に適応できるかどうかは、自分自身が病気や現状を受け入れられるかどうかにかかっている」と捉えていた。
 以下が、その語りの例である。

・同病者とのつながりを通して、力を得られる
・相手が同性だと理解してもらいやすい
・相手が過去にがん患者を知っている人だと理解が得られやすい
・専門職の力を得ることが、自分の状況を受け止めることにつながる
・「周囲の人に助けられた」と感じる面もある
・がんになって人に対する見方が変わり、本当に大切な人がわかった
・プラスの情報を得ることが、前向きに取り組むことにつながる
・社会的な問題は、
 自分が自身の状況を受け入れているかどうかにかかっている

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

  いつも読んでいただいて、ありがとうございます(__)
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りかこプロフィール

 
★2009年5月より
医療機関開催“がんサロン”発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆

★2010年9月
市広報にて体験記掲載

★2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

★2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

★2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

★2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

★2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

★2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

★2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

★2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

★2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

★その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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★国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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★子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

メッセージはこちらへ
乳がん履歴
★2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

★2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

★2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

★2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

★2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

★2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

★2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

★2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

★2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
★がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER 90%
 ・PgR 10%
 ・HER2 (-)

★術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

★治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
★2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫  1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫 4個

★2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症発症(両足)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
★2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

★2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

★2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

★2009年5月
 頸部再発(切除手術を受ける)

★2012年5月
 肺転移確認

★2015年5月
 小脳転移確認

★2015年7月18日
 永眠

  ※再発後の治療法・治療薬なし
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子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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