昔、巷ではそんな言葉をよく耳にした
いや、実際、
母から私自身に投げかかられていた言葉でもあった
人にはそれぞれ事情というものがある
そこから逃れたい現実もある
自ら“死”を選ぶ人の気持ちはわからないでもない
私自身も、中学の時から自殺願望を抱いて生きてきたから
でも、いずれ人は死ぬ
『敢えて死を選ばなくても...』
そうも思う
だから
「死ぬ気になれば、何でもできる」
その意味を、いつも考えていた
死ぬ勇気って、想像ができないほどのパワーだと思う
『そんな勇気があったら、生きて行けそうだけど...』
そう簡単に思ったりもする
そしてそれは、他人だからこそ言える意見でもある
だから、ずっと考えていた
生きる術を...
でも、私には、
“死ぬ気になってもできないこと”がいくつかあった
何度も何度も想像してみたけど、やっぱりできそうにはなかった
『それでも本当に切羽詰まって“死”を考えた時、
その“できないこと”、しちゃうのかな...できるのかな...』
そう、ずっと自問自答していた
私が19の時だった
あるサラリーマンと出逢った
それは、一度きりの出逢いだった
その彼の言葉を、私は今でも忘れることはできない
当時、彼は、おそらく30代半ば
19の私には“大人”のひと...という印象だった
私はずっと胸に抱いていた、
「死ぬ気になれば――」の言葉を彼にぶつけてみた
『この人なら、なんて答えるかな...』
いや、自分の迷いを払拭してくれる答えを、
私は求めていたのかもしれない
そして彼は静かに答えた
「人間だもん、死ぬ気になったって、できないことはあるよ」
想定外の答えだった
彼のこの一言に、私はどれだけ救われたか...
まさに、私にとっての救世主に思えた
これまで抑えつけられていた想いが、解放された瞬間だった――
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