りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2015年01月

陳列棚から商品が消えた日

“今日から明後日にかけて大荒れ”というニュースは、
一昨日あたりから頻繁に伝えられていた

当初は、“今日の午後から大荒れ”となっていたが、
昨夜、その予報は“夕方から”に変わった

テレビからは、
「明日は不要な外出は控えてください」というアナウンス

これで今季3度目の大荒れの天気
こんなに猛吹雪が多い年は、経験がない

明日は家から出られないこと必至

そのため、午後から食糧調達に出かけたのだが...


驚いたことに、どこの店舗も商品棚はガラガラ

市民はみな、
午前中のうちに買い出しに走っていたらしい

全く手に入らなかったのは、食パンとバナナ
菓子パンや納豆も、ほとんど陳列棚から消えていた

3店舗回ってようやく買えたが、
ここのところ続いている大荒れの天候に、
市民の危機意識が高まっているのだろう


パン類とバナナが売り切れていたのは、
雪かきでの体力の消耗を考えてのことなのだろうか

エネルギー補給も含め、
手軽に口にできる食品ではある


そして、最大の懸念は明後日
その日は朝一で、内視鏡の検査があるのだ

猛吹雪の中、病院へ行かなければならなくなるのか、
はたまた、バスが運休して、病院に行けなくなるのか、

それとも、
行ったはいいが、病院から出られなくなるのか...

だからこの時期の検査予約は嫌いだ


現在、外は唸りを上げて、
風が、雪が、吹き荒れている――



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がん告知を受けたあとにしたこと

がん告知はかなりの衝撃だ

“=死”のイメージ
そして、抗がん剤などのつらい治療...


私が乳がん告知を受けたあと、何をしたか――

しばらくは、何も手につかなかった

身体に力がこもらない

食事も睡眠も、ほとんどできない

出るのは涙だけ...


数日して少し落ち着いてから、部屋の片付けをはじめた

万が一、
病院から戻って来られなかった時のことを考えたのだ

が、あまりきれいには片付けなかった

なぜなら、
“また自分の家に帰ってくる”という希望を残しておいた


そして押入れからアルバムを引っ張り出し、
遺影に使えそうな写真を探した

が、数冊あるアルバムの中は、どれも風景写真ばかり

自分が写っているものがあまりなかったので、
結局、机の引き出しにしまっておいた証明写真を取り出す

そして、もしも私に何かあったときわかりやすいように、
アルバムの1ページ目に挟んでおいた

「これ、遺影に使って」

なんて、さすがに両親には渡せない


それからは、ネットでの情報集め

「まずは、“乳がん”という病気を知らなければ...」と、
考えた

が、5年近くしこりを放置していた私には、
希望の見える情報はなかった

「病気のことを知りたい」

そう思う裏で、

「知らない方がよかった」と思うこともあった

葛藤だった


もうこんな思いはしたくない...



  『生きることは闘うこと』

  そして、

  『現実を受け入れ、見つめ、共に生きること』――



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「生きることは闘うこと」

新しい病院は、さすがに明るくきれいだ

しかもコンシェルジュまでいる

以前の病院はかなり古く、暗かった

つぎ足し、つぎ足しで建てられていたこともあり、
科や病棟によっても違いがあった

雑然とした院内、
忙しそうに行き交う医師や看護師さん

そして、やたらと目につくスーツ姿の男性たちは、
おそらく製薬会社の人なのだろう

男性数人でグループを成し、
あちらこちらで見かけるその光景は、
ちょっと異様な雰囲気だった

...と、以前の院内は、
患者の目に見えるものが多かった

今は備品などが奥に隠され、
スタッフの通路も確保されているのか、
医師や看護師さんの移動があまり見られない

患者は落ち着いて待合室にいられる


そういえば、一昨日受けた採血は、
上手かったなぁ...

手際もいいし、
この血管を使うのは、ベテランの証

何より内出血をしていないのは珍しい

採血が終わったあとに止めてくれた脱脂綿にも、
血液が全く付いていなかった

いくら出血が少なくても、
針穴くらいの出血はあるものだが...


2日間の通院で、看護師さんたちの優しさにも触れた

不安に思っている患者の気持ちをやわらげようと、
声を掛けてくれる

その接し方にほっとする


不安がいっぱいの今の症状ではあるが、
まずは検査

結果は、
悪かった時のことも、少しは考えておかなくては...


『生きることは闘うこと』――

これは、同じ乳がんと闘い、
ほかの病気とも闘っている方からいただいた言葉だ

きっと不安に思っている私への叱咤激励なのだろう

ありがたい


まさに、

『生きることは闘うこと』

である――



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消化器内科受診

昨日と打って変わって、今日は冷え込んだ

シャーベット状だった雪は、
一晩でデコボコのスケートリンクと化した


今日は、昨日外科で予約を取ってもらった、
消化器内科の受診

胸の痛みと、違和感などがあるためだ


消化器内科は初診になる

記入した問診票に沿って、
看護師さんから詳しく質問を受ける

ここでも、
「最近“痩せた”とかないですか?」と聞かれる

前日の外科の主治医と同じ質問だ


1時間ほど待って診察室へ入り、
医師から、再び先程と同じような質問が繰り返される

「あれ...、
 あの問診票って、先生に回ってないのかな...」

そしてここでも、
「最近、“痩せた”とか、ない?」の一言

『“消化器”って、それ、大切なのね...』


医師にこれまでの症状を伝えると、

「一番心配なのは“食道がん”だと思うけど――」

と、単刀直入に来る

「まぁ、検査してみないと何ともいえないけど、
 検査をした10人のうち、9人に異常は見られない」

らしい

「何らかの症状があるにもかかわらず、
 がんが見つかる人は本当に少ない」というのだ

中には、
「検査が終わっただけで、症状が治まる人もいる」という

“心因性のものが多い”とは聞くが、
本当にそうなんだ...


医師が言うには、
「食道がんの原因は、“飲酒”と“喫煙”」らしい

「飲酒と喫煙をしない人は、食道がんにはならない」
ともいっていた
 (もちろん、これがすべてではないと思うが)

が、稀に、なぜか女性に、飲酒・喫煙がなくても
食道がんが発症することがあるようだ


その後、内視鏡検査の予約

内視鏡検査を受けるにあたっての説明を、
また別の看護師さんから受けた

ここでもまた、問診票に書いた内容と同じようなことを
いくつか聞かれる

初診時は、
『過去の病歴は、しっかり把握していないと...』と、
いつも思う


今月は、1ヶ月の間に7度の病院通いになりそうだ

しかも、検査づくめ...

さすがにヘビーである――



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外科外来受診と、消化器内科予約

毎年2月の初めは、1年に1度の画像検査の時期

今日は、先週予約を入れた、検査前の受診日である


今日の日中の気温は、+6℃
1月にしてはあり得ない気温だ

そして、この時季には考えられない雨の予報
平年より10℃は気温が高いだろう

そのせいで、
道は融けた出した雪でベチャベチャ、ザクザク

大きな水たまりと、深いシャーベット状態になっている

「あー、革のブーツが...」

前日に防水スプレーをしていたとはいえ、
これだけ濡れると心配になる

歩きづらさで体力は消耗
時間も思いのほかかかっている

一本早いバスにして正解だ

あまりの暖かさに、歩いていると汗ばんでくる
厚手のコートがまるで季節外れに思える


新しい病院になってから、初めての外来
さすがに明るくきれいだ

が、勝手がわからず、少し戸惑ってしまう


主治医に会うのは1年振りだ

前の主治医と変わってから、程なくして終わった治療
今の主治医とは数えるくらいしか顔を合わせていない

診察室に入っての主治医の言葉は、
「“去年、胸が痛い”って言ってたけど、その後、どう?」

だった

まさかそこに触れられるとは思っていなかったので驚いた

「痛いです。詰まった感じもするので食道かな...。
 胸の激痛が耳の奥まで来るんです」

「最近痩せたりしてない?」

『“痩せる”って、もし食道がんだとした場合、
 すでに痛みも出ているし、
 “かなり進行している”と踏んでの質問...?』

「痩せてないです」

そして主治医は、昨年のCT画像を開いた

「食道に何かあってCTに写るのは、よっぽどだからね」

そう言いながら、主治医は画像を確認してゆく

「うん、やっぱり何も写ってないね。
 とりあえず、消化器内科行ってみようか」――


昨年のCTでは特に変わったところは見られない

いや、CTで異変が確認できたら、
かなり進行していることになる

その後の心エコーでも異常なし

...となると、この胸の痛みはやはり消化器...

最近、胃の不調が続いているのもそのせいだろう

おそらく、逆流性食道炎

この何年か、
相当なストレスがかかっているからなぁ...


主治医との話が終わると、次は画像検査の予約

やはり検査は予約で埋まっている
結局、1ヶ月も先になってしまった

今日の受診は、主治医の診察と採血

次の検査はCTと骨シンチ

その次の検査は、マンモグラフィと超音波検査
そして、これまでの検査の結果を聞く

昨年までは、1日目に、CT、骨シンチ、マンモグラフィ
2日目に超音波だった

今回からCTとマンモグラフィは分けられた
被曝を考えてのことらしい

この2つの検査を同時にするのは、
私も以前から気にはなっていた

が、「同時に行うのは、線量もそれほどではないのだろう」
そう思っていたのだが、ここに来て別の日になった

「これまでの検査は大丈夫だったのだろうか」

そんな思いがちょっと過ぎった(もちろん、“大丈夫”)


最後に消化器内科の予約

来週にしようとも思ったが、
「なるべく早い方がいいだろう」

...ということで、早速明日に予約


今日とは打って変わって、明日は冷え込むらしい

ぐちゃぐちゃに融けた雪が、
明日はつるつるの路面に変わりそうだ――



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りかこプロフィール

 
★2009年5月より
医療機関開催“がんサロン”発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆

★2010年9月
市広報にて体験記掲載

★2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

★2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

★2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

★2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

★2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

★2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

★2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

★2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

★2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

★その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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★国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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★子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

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乳がん履歴
★2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

★2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

★2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

★2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

★2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

★2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

★2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

★2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

★2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
★がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER 90%
 ・PgR 10%
 ・HER2 (-)

★術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

★治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
★2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫  1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫 4個

★2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症発症(両足)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
★2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

★2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

★2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

★2009年5月
 頸部再発(切除手術を受ける)

★2012年5月
 肺転移確認

★2015年5月
 小脳転移確認

★2015年7月18日
 永眠

  ※再発後の治療法・治療薬なし
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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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