りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2015年03月

腋窩リンパ節郭清後の感覚の麻痺は、どれくらい回復するのか

様々な禍根を残す、“乳がん”という病
その一つが、腋窩リンパ節郭清だ

術側のわきの下、胸、肩甲骨附近の感覚の麻痺と、
腕の運動障害が起こる

ではこの“麻痺”は、いつまで続くのだろう――


薬の副作用もそうだが、
これも個人差があるのだろうか

以前、術後間もない人に話を伺ったことがある

その方は、
「“腕が痛くなる”と聞いていたけど、全然痛くない」と、
おっしゃっていた

私は数ヶ月強い痛みが続いたため、
その事実に驚いたのだ


主治医にも聞いたことがある
「この痛み(麻痺)は、ずっと続くんですか」と...

主治医は小さく頷いた

が、その頷きを信じたくなくて、もう一度聞いた

「ずっと?」

再び主治医は小さく頷いた


看護師さんにも聞いてみた

...が、答えは同じ

誰も「治る」と、答えてはくれなかった


じっとしていても痛いこと、

そして、
服の脱ぎ着ができないことと、
寝返りが打てないことに苦労した

痛みのため、常に寒気に襲われ、
服が腕に触れていることさえ不快でたまらなかった


術後8年が経過した現在(いま)――

予想はしていたが、やはり感覚は鈍い

が、触れたときの、触られている感じは
かなりはっきりとわかるようになった

ただ、くしゃみをすると、上腕部(外側)に痛みが走る
電気が通ったような、ピリピリとした痛みだ


時折、わきの下や胸周辺の肋骨が痛むのも、
郭清をした影響なのだろう

痛みはずっと続くのだろう

病気のことを忘れていても、
痛むたびに“乳がん”だということを思い出させる

きっと“がん”って、そういう病なのだ――



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★しこり発見から治療までの経緯は⇒
こちら

『第5回 日本の医療に関する意識調査』

『第5回 日本の医療に関する意識調査』が、
1月、公表された

これは日本医師会が2014年8月、
20歳以上の国民を対象とし、

  ・個別面接聴取       1,122件
  ・webモニター調査     5,667件

の有効データを分析したもの


調査では、

  ・受けた医療の満足度   89.6%

と、高水準を得ている
 (日本の医療全般でも、69.5%)


その一方、

  ・待ち時間
  ・医師の説明
  ・治療費

が、受けた医療に対する不満の上位にあがった

中でも、
“待ち時間の不満”は医療満足度にさほど影響がないが、

“医師の説明への不満”は、
満足度に大きな影響を与えていた


比較的重い病気の治療方針の決定については、

  ○複数の治療方法の説明を聞いた上で、

    ・医師と相談しながら自身が決める   52.5%
    ・医師が決めたことに同意する      25.5%

で、合わせると、78.0%が治療方針に関して
自己関与を希望していることがわかる


・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


確かに、待ち時間は最初の不満の一つだ

が、我慢できる範囲
...というより、「仕方がない」という感覚だろうか

治療費も、諦めるしかない

一番大きな不満が起こるとしたら、
やはり、“医師の説明”だろう

これは、がんサロンでもよく話題にのぼる


治療についても、
今は患者自らが選択できる時代

昔は医師の言いなり(?)だったような気がする


自分の病気だ

自らが納得した上で治療が選択できるのは、
病と...命と向き合うことにもつながるだろう――



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年々なおざりになる、自己検診

「病院で検査はしますが、
 月に一度の自己検診もきちんとやってくださいね」

看護師さんにそう言われていた

“危険な温存”のため、局所再発の不安は拭えない

そのため、最初の頃は、
気がつけば乳房のチェックをしていた

  そのお蔭で、局所の新たなしこりと、
  対側の乳房のしこりを発見できたのだが...
   (細胞診・組織診の結果、良性。経過観察中)

が、それも術後2年まで

チェックの間隔は、年々延びていく


本来であれば、“この日”と、
月に一度の自己検診日を決めるといいのかもしれない

が、つい、検査に頼り、チェックを怠ってしまう

そんな今では、
ほとんど乳房に触れなくなってしまった

心のどこかに、「もう大丈夫」という思いがもたげるのだ
そう...、悪い意味での“慣れ”である


乳房に触れたくない理由は、実は、ほかにもいくつかある

まずは、腋窩リンパ節郭清による皮膚の感覚の鈍さだ

感覚が鈍いくせに、触るとピリピリと痛い

それは、
まるで炭酸でも塗ってあるかのような不快感なのだ


そして、術痕の痛み

乳腺を切除した部分の筋肉の痛みに
皮膚のピリピリ感が加わると、その不快感はさらに増す


そして、斑痕

切除した部分が硬く、岩のようにボコボコとしている

外見からでもわかるほどだ

なので、触っても、しこりがあるか
判断がつかないのが正直なところなのである


そうは言っても、自分の身体だ

自分の命だ

怠らず、続けていかなくては――



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心地好い、汗と疲れと――

春の温もり、汚れた空気――

こんな日は、インドアに限る


...ということで、今日は一投げ

ストレッチ
  まずは、ストレッチ
  特に左腕は入念に...


  そして...
投球 ①
  投げる


投球 ②
  投げる


投球 ③
  また投げる


軽ーく汗ばむ肌

心地好い疲れ...



帰り道――

PM2.5のせいか、落ち行く太陽の異常な赤さ

赤い太陽

この数日、空が白く煙っている


飛行機雲

そして、一筋の飛行機雲――


乳がんになって、一時は諦めかけたボウリング

またこうして投げられることに、感謝だ



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“乳腺外科”がなくても――

私の通院している病院は、“がん拠点病院”

でも、“乳腺外科”はない

この地域に、“乳腺外科”はあるにはある

が、殊、“がんの治療”ということを考えると、
やはり“がん拠点病院”を選択する


この病院に乳腺外科がないことに
少し残念に思ったこともある

が、それでもこうしてがんの治療を受けることができるのは
本当にありがたいことである


望んでいたのは保険内の治療

数百万もかかるような、
高度な治療は考えられなかった

“乳腺外科”があろうがなかろうが、
ケアも含め、
この病院で、がんの検査や治療はしっかりできる


『乳房をひとつ神に捧げても、
 削られた命を取り戻すことはできない』――

乳がん告知時の余命を知ったとき、
乳房をひとつ失うことよりも、
命を取り戻したいと強く願ったあの日――



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りかこプロフィール

 
★2009年5月より
医療機関開催“がんサロン”発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆

★2010年9月
市広報にて体験記掲載

★2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

★2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

★2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

★2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

★2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

★2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

★2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

★2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

★2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

★その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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★国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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★子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

メッセージはこちらへ
乳がん履歴
★2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

★2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

★2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

★2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

★2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

★2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

★2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

★2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

★2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
★がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER 90%
 ・PgR 10%
 ・HER2 (-)

★術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

★治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
★2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫  1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫 4個

★2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症発症(両足)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
★2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

★2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

★2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

★2009年5月
 頸部再発(切除手術を受ける)

★2012年5月
 肺転移確認

★2015年5月
 小脳転移確認

★2015年7月18日
 永眠

  ※再発後の治療法・治療薬なし
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★コメント欄は、2013年11月28日より認証制とさせていただきました。
 これまで通り投稿していただけますが、コメントが反映されるまでお時間をいただくこととなります。
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★また、2014年5月22日より、スマートフォンからのコメント投稿による誤送信を防ぐため、画像認証制を取り入れさせていただきました。認証英数字は“半角”での入力をお願いいたします。
 お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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≪2016年11月2日分より、コメント欄を開放しております≫

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