りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2015年04月

大量出血の治療 ~治療へ~

「ゴセレリンするまでもないと思うから、
 あとはこの薬で対処していきましょう」

そう言うと、
医師は2種類の飲み薬を10日分処方してくれた

ついでに先日勧められていた漢方も、
一緒に出してもらうことにした

「合わなかったら困るから、
 とりあえず2週間分だけ出しておくね。
 合わなかったら、またほかのものにしてみよう」


“漢方”というと、昔から
個人の体質に合わせて調合してもらうイメージがあった
 (しかも、高額)

なので製品化したものは、
風邪薬でいえば“総合感冒薬”のような感覚

“自分の症状にないものも、成分として含まれている”

そして、
“自分に必要な成分が少ない”

そんなイメージを持っていた

なかなか漢方に踏み切れなかったのは、
これまで漢方を勧めてくれる医師がいなかったことと、
そんな誤解にも似た考えがあったから

それに、なんとなく、効果に期待が持てなかった


医師に薬を処方してもらったあと、
ヘモグロビン量を調べるために血液検査

最初の段階で、「造血剤、2本静注」

と、言われていたが、
案の定、採血の結果は“貧血気味”程度

造血剤は1本で済んだ


身体の不調の割りには数値には出ない貧血

それでも大量出血がはじまる前と比べると、
平均 3.0 g/dl、ヘモグロビンの値が低い

この数字が
果たして身体にどの程度の影響があるものなのか...


また2週間後、貧血検査

おそらく、数値は変わらないだろう


結局、大量出血は、
根本的な“治療”ではなく、“対処法”でしかない

それもどの程度の効果があるのか...


改めてがん治療の怖さを...
がん細胞をやっつける大変さを、思い知らされる


ただ今は、
少しでも状況が改善してくれることを願うだけだ――



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4月の桜

ここのところ、かなり暖かい日が続いている

が、やはり朝は少し暖房が必要だ

そして、今朝、
今年初めてストーブを点けない朝を迎えた

家の中は半袖で過ごせるほど温もっている


そのお蔭で、
この街の桜も数日前から咲きはじめているらしいのだ

例年であれば、この地域の桜の開花は
5月のゴールデンウイークが過ぎてから

2週間以上早い開花となっている


今週末まで咲いていてくれるだろうか

お願いだから、あと2~3日、待っていてほしい――



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大量出血の治療 ~治療の選択~

5年半に渡る大量出血
それでも徐々に量は減っていた

生理再開時の経血量は、生理用品込みではあるが、
3日間で重さ1.5kgにも及んだ

座ることも、眠ることもままならない
出かけることも自由にはならない

まさに“手に負えない”量

予定はすべて生理周期に合わせる生活
日々、カレンダーとの睨めっこだ

排卵痛などの下腹部痛も、月に3週間はある

それまではなかった貧血も、
大量出血がはじまったと同時に起こるようになった

そして、

「あのつらい副作用に見舞われても、
 またゴセレリン注射を打ってもらいたい」

そう考え出すようになる


1度は諦めた大量出血の治療

今回、
その治療のために婦人科を受診しようと思った理由――

それは、今月、2度の大量出血があったからだ

月経が終わり、1週間ほど経ってから、
頸がん・体がん検査を受けに行った

なのに、体がん検査後、
再び大量出血がはじまってしまった

2度目の大量出血となるとさすがに貧血がひどく、
動くことができない

はじめて本気で“倒れる”と思った


今の婦人科の医師は、以前の医師とは違う先生

これまでの大量出血の経緯を説明し、
前の医師に“ピル”を勧められたことを伝えると、医師は、

「ピル!?」と、驚いたようにその言葉を口にした

「ピルは乳がんの人にピルはダメだよ。
 えー!! 乳がんにピルは使えないよ」

なんだか、私が怒られてる気分...
さすがにホルモン補充を勧められたことは言えない

「...で、飲んだの?」

もちろん飲むはずもなく...

がんサロンでほかの患者さんと話をしていても、
自分が受けている治療や薬のことを
把握してない患者さんは少なくない

『そのような人が医師に言われるまま、
ホルモン補充やピルを勧められたら...』

そう思うとぞっとする


医師は続ける

「止血剤、いくつかあるけど、
 どれも乳がんの人には使えないんだよね」

『やっぱりか...。
 大量出血を止める薬は、
 やっぱりホルモン剤的なものか...』

「あとは貧血の方で対処するしかないね」

『当然、そうなるよね...』

「それか、ゴセレリン注射するかい?」

『おー、来た!!
 私が期待していたような、恐れていたような、
 その薬剤名(実際に言われたのは商品名)!!』

「副作用、きついんですよね...」
思わず口にする私

やはり即断で、「やります!!」とは言えない
この薬に関しては、これまでも何度も悩んできた

「そうだね。更年期の症状出るよね。
 でも乳がんにはいいよね」

そう...
乳がんの再発のリスクは確実に減りそうである

「でも、高いんだよね~」と、先生

私がホルモン治療をしていたとき、
4週間効果が持続するタイプの
ゴセレリン注射を打っていた

1度の注射で、保険が利いて、約1万5千円――
決して安いものではない


そして医師は考え抜いた挙げ句、

「もうひとつ、乳がんでも使える止血剤があるけど、
 それ使ってみるかい?
 ただ、出血がピタッと止まるわけじゃないけど」

と、最後の切り札ともいえる薬剤名を口にした


何もかもが前の医師とは異なった見解

なので、もうひとつ、聞いてみることにした

それは、この大量出血に、
小さいけれど再発した2つの筋腫が
関係しているかどうかだ

医師はカルテに貼られた先日のエコー写真に目を落とし、

「うーん...
 小さい腺筋はあるけど、関係なさそうだね」――



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大量出血の治療 ~これまでの経緯~

今日は婦人科へ――

月経時の大量出血の治療ための受診である


大量出血がはじまったのは、5年半前

乳がんの治療の一つである、ホルモン療法中のことだ


私が行ったホルモン療法は、

  ・4週間に一度、お腹の脂肪に薬を埋め込む、
   ゴセレリン注射を2年間

  ・閉経前の患者に使う、
   1日1錠のクエン酸タモキシフェンの内服を5年間

の、2種類の薬による治療だ


私のがん細胞は、
女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けていた

なので、ゴセレリンで卵巣の働きを止め、

さらにタモキシフェンで
身体の中に潜んでいるがん細胞をやっつける

そのため月経は止まり、
エストロゲンが出なくなることによる様々な副作用が出る


そして、2年間のゴセレリン注射終了から10ヶ月後、
月経が再開した

が、再びはじまった月経は、
想像を絶するほどの大量出血

数ヶ月間は
ホルモン治療の影響だということに気づかなかった

なぜなら、
乳がんがわかる5ヶ月前に受けていた子宮核出術

その筋腫がゴセレリン終了後、再発していたからだ

当時の婦人科の医師に大量出血の原因を聞いても、
「筋腫のせいかもね~」

と、言うだけだった

そして、大量出血をやわらげるために
勧められたのは、“ピル”――

ホルモン治療をしている乳がん患者には禁忌薬である


実は、その数ヶ月前にも信じられないことがあった

それは、ゴセレリン注射が終わって半年が過ぎても
月経が復活していなかった時のことだ

「ホルモン剤使って、生理起こしてみる?」
と、その医師に言われたのだ

もちろん乳がん患者にホルモン剤を使うなんてあり得ない

「ホルモン剤は、乳がんには使えないんじゃ...」
と言う私に、医師は、

「うーん...。
 “生理が来る”ということは、
 “女性ホルモンが出ている”ということだから、
 これくらいのホルモン補充は大丈夫だと思うよ」

だった

そしてその後の“ピル発言”

「確かピルは、
 乳がん治療中はダメじゃなかったでしたっけ...」

そう言う私に、医師は答えた

「うーん...、大丈夫だけどねぇ」

『大丈夫なわけないよ』

薬のパンフレットを受け取りながら、
「来週、ちょうど外科に行くことになっているので、
 その時主治医に聞いてみます」

と、私はその場を逃れた
 (次週の外科受診は真実)


そんな医師としての知識に疑問を持ちつつも、

「ここで“ピル”というワードが出るということは、
 きっとほかに対処法がないのだろう」

私はそう受け取り、大量出血のことは半ば諦めた――



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「いってらっしゃい」

結局今日は、28.5℃まで気温が上昇

そして明日は14℃らしい

「半分か...」

まぁ、“14℃”が、
この時期の適正な気温ではあるのだが...


先日、
子宮頸がん・体がん検査の結果を
聞きに行った日のこと――

家を出たのは午前中
いつものようにバスに乗り、クリニックへ向かった

が、その日のドライバーさんは少し運転が荒かった

「今日は運が悪かったかなぁ...」

運転が荒いと、
「運転手さん、機嫌が悪いのかな...」などと、
あらぬ妄想を抱いてしまう

“運転手”という職業は、
たくさんの乗客の命を乗せて走っている仕事

本来ならドライバーさんの機嫌が、
そこに加わってはいいはずはないのだが、
昔はこういうことが多々あった


そうこうしているうちに、
クリニックが近づいてきた

運転席近くの降車口でICカードで運賃を払い、
バスを降りようとした

その時、かけられるのは、
「ありがとうございました」が通常の言葉

  これも、今でこそ、
  「ありがとうございました」と言ってもらえるが、
  昔は何も言われないのが当たり前だった

が、この時は違った

かけられた言葉は、
「いってらっしゃい」――


実は、体がん検査のあとの出血が鮮血に変わり、
検査結果に少し不安を抱いていた

この「いってらっしゃい」の一言に、
なんだかほっこり...


『どんな時でも、ひとに気遣える人間でいたい』

改めてそう感じさせられた一日だった――



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りかこプロフィール

 
★2009年5月より
医療機関開催“がんサロン”発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆

★2010年9月
市広報にて体験記掲載

★2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

★2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

★2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

★2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

★2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

★2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

★2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

★2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

★2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

★その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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★国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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★子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

メッセージはこちらへ
乳がん履歴
★2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

★2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

★2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

★2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

★2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

★2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

★2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

★2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

★2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
★がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER 90%
 ・PgR 10%
 ・HER2 (-)

★術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

★治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
★2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫  1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫 4個

★2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症発症(両足)

★2024年10月
 骨粗鬆症が判明
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
★2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

★2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

★2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

★2009年5月
 頸部再発(切除手術を受ける)

★2012年5月
 肺転移確認

★2015年5月
 小脳転移確認

★2015年7月18日
 永眠

  ※再発後の治療法・治療薬なし
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子ども虐待防止『オレンジリボン運動』
子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
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★コメント欄は、2013年11月28日より認証制とさせていただきました。
 これまで通り投稿していただけますが、コメントが反映されるまでお時間をいただくこととなります。
 非公開希望の方は、その旨書き込んでいただけるとそのように対応いたします。

★また、2014年5月22日より、スマートフォンからのコメント投稿による誤送信を防ぐため、画像認証制を取り入れさせていただきました。認証英数字は“半角”での入力をお願いいたします。
 お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

★営利目的だと思われるリンク、また、不当なリンクやコメントは削除させていただいています。また、個人を特定するものや商品名なども、編集・削除させていただく場合があります。

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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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≪2016年11月2日分より、コメント欄を開放しております≫

★非公開希望には対応しかねますので、コメントの投稿を控えていただきますようお願いいたします。

★個人を特定するもの、商品の宣伝、不当なリンクなど、編集・削除させていただく場合があります。

★公開が原則となっています。良識のあるコメントをお願いいたします。

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≪2016年12月3日分より、コメント欄を閉鎖させていただいています≫


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≪ランダムで開放しています≫


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