りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2015年08月

悲しいコメント ~唾液でがん検査~

以前、『唾液でがんを発見』というニュースが
大きく報道されていた

そして今日、
再びその話題をテレビで目にしたのだが...


その“唾液でがん検査”は、
採取した唾液を
検査機関に郵送するという簡単なもの

同時に、“280項目もの遺伝子検査を受けられる”
というから驚きだ

検査のやり方などひと通りVTRが終わり、
番組司会者がコメンテーターに感想を求めた

出演していたコメンテーターは2人
女性と男性だ

女性がこう答える

「今の時代、なんでも簡単にわかるのはいいですが、
 知らないことまで知ってしまうようで、
 なんだか嫌ですね」

次に司会者は、男性に意見を聞く

「まぁ、病気がわかることはいいですが、
 わかったことで、また、
 差別が生まれたりすることもあるでしょうねぇ」――


女性コメンテーターの、
「知らないことまで知ってしまう」のは、
違うような気がする

検査をするかしないかを決めるのは自分自身だ
知りたくなければ受けなければいい

いや、
がんの発見は、早い方がいいに決まってる

「知りたい、知りたくない」ではなく、
命を守るために、
しっかり検診を受けてほしいと思う

「この女性コメンテーターは、
 検診を受けていないのだろうか...」

この発言を聞いて、そう感じた

“がん”なんて、きっと“他人事”なのだろう


そして、男性のコメントも、
まさに“社会的排除”が背景にある

病気だと、なぜ差別されなければならないのだろう

“がん”だから...

“がん”は、命に関わる病気だから、
いつどうなるかわからないから、
体調が悪かったり通院のために欠勤が多くなるから、

と、勝手に決めつけられる


様々な分野で働きかけてくれている人たちがいるが、
いつか、この世の中から、
“社会的排除”がなくなる日がくるのだろうか――



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『開かれた学会』

近年、各地で開催されている『開かれた学会』

なんでも、

“医療者や研究者が集まる学会に、
 患者らが参加できる”

というものらしい

以前は“医療”というと、
“閉ざされた”というイメージだった

治療も
医師に言われるままにやっていたように思う


私自身ががんになってまず驚いたのは、
“自ら治療を選択できる”ということだった

医師が検査の結果やこれからのことを判断し
治療を決める訳だが、
そこに患者の意思が加わる

“自分はどうしたいのか”、
“何を望んでいるのか”を、
しっかり伝えなければならない

が、
がん告知を受けたばかりでの治療の選択は、
難しいのもまた事実

考える時間も知識もないまま
決断をしなければならないのは、
焦りと不安が大きい

なにより、“がん”による動揺が強すぎる
どうしても“死”をイメージしてしまうからだ


病気に関しての知識が付いてゆくのは、
“治療をはじめてから”という人がほとんどだろう

私自身も告知直後は、まずは、
「“乳がん”ってどんな病気なんだろう」
ということから調べはじめた

広く知識を求めたのは、
手術が終わってからだ


様々な講演にも出向き、
緩和ケアの講義では、
「今はここまで説明をするんだ...」と、
その衝撃に涙したこともあった

が、こうして“知る”ことは、
患者自身が病気と向き合うために
必要なことなのだと思う

と同時に、
家族も患者の気持ちや現状の理解に
役立てられるとも思う

何より、“自分自身の病気”だ
知る権利はある


『開かれた学会』が広まってゆくことは、
患者にとっても家族にとっても、
また一般に、“がん”という病がどういうものなのか
周知にもつながるだろう

“日本人の2人に1人ががんに罹る現代”において、
“他人事”にはもうできない時代となってしまった


そして大切なのは、
“患者と医療側が一緒に闘ってゆくこと”なのだと、
自らが乳がんになって感じたことだ――



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時が経てば、意識も薄れ... ~自己検診~

久し振りにおっぱいを触ってみた

気がつけば、
もう何ヶ月も乳房に触れていない

「月に1度は自己検診してくださいね」

看護師さんにそう言われたのに...

術後しばらくは、
1ヶ月に2度くらいはチェックしていたのに...

今では完全に忘れてしまっている


でも、斑痕がひどくて、ごつごつしていて、
全然わからない

ここにがんが隠れていても、全く判断がつかない

それに、
腋窩リンパ節郭清による影響で皮膚も痛い

感覚が鈍いのに、
触れると鳥肌が立つほどビリビリと痺れる

皮膚だけじゃなく、中も痛む

乳腺を引き剥がした筋肉が痛んでいるのだろうか...


今でも身体を洗うときは、
乳房と上腕は軽く撫でる程度

シャワーの水圧は、
未だに直接は当てられない

おそらく、これからもずっと...だろう


自己検診、みなさんはちゃんとやってますか?


「病院で検査をしているから...」と、
つい蔑ろにしてしまっている

「病院で検査をしていても、
 きちんと自己検診はやってくださいね」

そう言われていたっけ...


“がん”を甘く見てはいけない

右の乳房にもしこりがある

しっかり自己検診しなくては――



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結露の朝と――

久し振りの青空――

朝 ~久し振りの青空~

ずっと、厚い灰色の雲に覆われていた空

もう10日くらい太陽を見ていない気がする


そして、8月とは思えない低温続き

ベッドのシーツは冷たく、
布団に包まって眠りにつく

そんな今朝は、早くも結露...

結 露

窓ガラスが水蒸気に煙っていた


夏の余韻もないまま、もう秋――



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甲状腺がんで亡くなった母と、乳がんの娘の前で...

母が亡くなった翌日、
湯灌・納棺の数時間前に、自宅に親戚が集まった

私たち家族は通夜・葬儀の打ち合わせや、
来客、電話応対などでてんてこ舞いだが、
来てくれた親戚は、
湯灌までは意外と時間を持て余す

そのうち70代と80代のおばが、
自らの病気の話をはじめた

私も知らなかったのだが、
2人とも甲状腺がんを患っているらしかった

が、1人は手術をしていないようで、
「これ、触ってみて。しこり、大きくなってるでしょう」と、
みんなに触らせている

1人は、
「1ヶ月数千円のものより高い方がいいと思って、
 数万円の健康食品を飲んでいる」と、語っている

「でも、
 効いてるのか効いてないのかわからないから、
 飲むのをやめた」と続けていた

すぐに終わると思っていた、おばたちのがんの話

が、延々と続いた

最初は特に何も感じてはいなかったが、
これだけ続くとさすがに不快になってくる

しかも目の前には、
その甲状腺がんで亡くなった母が眠っている

そしてその傍らには、
甲状腺がんで母を亡くしたばかりの、
乳がんを患った娘――

なんとも言えない気持ちだった


やっぱり年配の人たちが集まると、
病気の話になるんだなぁ...



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りかこプロフィール

 
■2009年5月より
医療機関開催『がんサロン』発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆
(■2026年2月よりピアサポーターとして『ピアサポーター通信』を新たに執筆開始)

■2010年9月
市広報にて体験記掲載

■2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

■2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

■2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

■2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

■2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

■2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

■2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

■2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

■2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

■2025年10月
北海道医療ソーシャルワーカー協会主催『がんピアサポーター養成研修会』受講終了

■その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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■国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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■2024年より
子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

■2024年10月
市民観光アンバサダー就任

乳がん履歴
■2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

■2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

■2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

■2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

■2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

■2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

■2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

■2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

■2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
■がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER  90%
 ・PgR 10%
 ・HER2(-)

■術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

■治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
■2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫   1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫  4個

■2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症に進行(両足)

■2024年10月
 骨粗鬆症判明

■2025年10月12日
 突発性難聴発症(左耳)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
■2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

■2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

■2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

■2009年5月
 頸部再発
 (切除手術後、放射線治療を受ける)

■2012年5月
 肺転移確認

■2015年5月
 小脳転移確認

■2015年7月18日
 永眠

  ※遠隔転移後の治療法・治療薬なし
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■また、2014年5月22日より、スマートフォンからのコメント投稿による誤送信を防ぐため、画像認証制を取り入れさせていただきました。認証英数字は“半角”での入力をお願いいたします。
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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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≪2016年11月2日分より、コメント欄を開放しております≫

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≪2016年12月3日分より、コメント欄を閉鎖させていただいています≫

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≪ランダムで開放しています≫

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