りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2016年07月

入院患者も気を遣う

外来時の看護師さんや医師の忙しさを見ていると、

「あまり手を煩わせたくない」

と、聞きたいことを聞かなかったり、
言いたいことを言い出せなかったり...

というのは、多くの患者が口にする

これが“入院”となると、
さらに違った気の遣い方になる


人間である以上、
どうしても、“相性”というものはある

看護師さんにも患者側から見た、
いわゆる、“好き”・“嫌い”が出てきたりする

それは、

声のかけられ方であったり、
率先して話を聞いてくれることであったり、

心遣いであったり、
気遣いであったり、

笑顔であったり、
言葉使いであったり、

手際の良さであったり、
採血や処置の技量であったり、

知識であったり、

患者一人一人のことを
把握してくれていることだったり...


毎日、
「今日は、私○○が担当です」と、
様々な看護師さんが病室にやってくる

が、実際にはなかなか話をする機会はない

その日の担当が誰なのか、
全くわからない日も多かった

実際には、
挨拶に来る看護師さんの方が少なかったのが
現実である
 (私が入院当初)


「やったー。今日はこの看護師さんが担当だ!!」

と、喜んだ日もあれば、
ちょっと残念な日もあった

が、どうなのだろう

何かあればナースコールを押す

駆けつけてくれるのは、
おそらく、コールを受けた看護師さん、
もしくは、その近くにいるほかの看護師さん

“その日の病室担当”だからといって、
その看護師さんが来てくれる訳ではない

病院側としては
“担当”の割り振りは必要なことなのかもしれない

が、

私たち入院患者には、
あまり意味がないように感じていた


そして、不思議なもので、
好きな看護師さんにはなかなか当たらないもので、

「あぁ、この人には当たりたくないなぁ...」

と、思っていると、
かなりの頻度でお世話になったりする

何人もの看護師さんに担当してもらっていると、
言われることがそれぞれ違うのも、
患者としては戸惑うところだ


話しかけやすい人...
あまり相談にはならなさそうな人...

患者は、けっこう鋭い目で、
それぞれの個性を観察しているのかもしれない

私、個人的には、

“患者の気持ちを理解し、
 知識と技量がある人”が、好みではあるが...


忙しいのも重々承知している

わがままを言う患者もいるだろう

苛立つことも多いと思う


が、どちらにしても、患者としては、
“心のこもった看護“を望んでいる


そして、
日々の激務と、優しい声掛けに感謝――



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治療中に癒されたもの

  今日は、今季2度目のクーラー稼働

  今年はじめて点けたのは、おそらく6月...

  それも、ほんの1~2時間だ

  ここのところ、朝晩は、
  半袖では外に出られないほど寒かった

  が、やっと夏の到来か...



つらい治療中、癒されていたものがある

“こげぱん”だ

こげぱん

もともと、ある情報番組で紹介されていた“こげぱん”

やさぐれた無気力感が、
力の入った心に脱力を与えてくれる

このキャラクターを知ったのは、
まだ、乳がんがわかる前

新刊が出るたび、買いに行ったっけ...


何かグッズもほしかったが、
悲しいことに、
私が住んでいる街には売っていなかった

あちこち探したけど、どこにもなかった

当時つきあっていた彼が、
ネットで探して、
マグカップを2つ、買ってくれたっけ

でも、勿体なくて、使わずにしまっていた


が、それから暫くして、乳がんがわかった

こげぱんのマグカップは、
奇しくも入院ではじめて使うことになった

「ま、癒されるから、いいか...」


乳がんの治療中は、
この絵本を見て癒されていた

当然、体調が悪ければ、活字は読みたくもない

本を開くことさえ鬱陶しい

それでも少し体調のよい時は、
手に取って、絵と大きな文字だけを読んでいた


『君のためにできるコト』
『いつでも会える』

も、いつも涙を流しながら読んでいたな...
 (これも、当時、彼に、
  誕生日にプレゼントされたもの)


そういえば、こげぱんのぬいぐるみ、
懸賞で当たったことがあったっけ...

引っ越しで、きっと、クロゼットに入れたままだ

あとで探してみよう――



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“いつまで続くのか...”という不安

“がん”は、身体だけではなく、心までも蝕む

まるで、
長い、真っ暗なトンネルに迷い込んだ感覚だ

そこには一筋の光さえ見い出せない――


それは、
“がん”という病が引き起こすうつ症状なのか、

それとも、
ホルモン治療の副作用によるものなのか、
判断がつかなかった

が、おそらく、
ホルモン治療の影響が大きかったと思われる


「いつまでこんな気持ちが続くんだろう...」

「元気になれる日が来るのかな」――

そんな思いを抱いている人は多い


私は、2年間、闇の中をさまよい続けた

そこには誰もいない

叫んでも、叫んでも、誰も助けてはくれない

孤独だった


そんな、真っ暗な長いトンネルの先に
ぼんやりと光が見えてきたのは、
術後2年が過ぎた頃

その後、3年...4年と、
徐々に心が軽くなっていった


ホルモン治療は5年

やはりその間は、
体調と心の状態の波との闘いだった

いや、治療が終わってもなお、
2年、3年と、不調は続いた

が、その頃には、
長く暗いトンネルからは這い出ていた


不安を抱えている人に伝えているのは、

『必ず闇から抜け出せる』

ということ

少し時間はかかるかもしれない

でも、その日は必ずやって来る


『同じ一生を過ごすなら、
 笑って過ごした方がいい』

なんて言う人もいる

でも、笑えない時もある

涙を流すことが大切な時だってある


“今”はつらいかもしれない

先が不安だらけかもしれない

でも、必ず闇は晴れるから――



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誰かに頼ることは、決して“弱いから”じゃない

「飲もうか飲むまいか悩んだんだけど、
 飲んできちゃった」――

彼女は屈託のない笑顔でそう言った


彼女は、婦人科系のがん患者

屈託なく見える彼女の笑顔のその裏には
様々な思いが隠されている

それは、
手術・治療による心と身体の不調である

悩んだ結果、彼女が飲んできたのは、
抗不安薬

心を安定させる薬や
眠剤を処方してもらっているがん患者は
決して少なくない

精神科や心療内科などにかかっている人もいる


私自身も、2年ほど、眠れぬ日々を送っていた

うつ症状も強く、
夜中に暴れ出したくなるほど、心も荒んでいた

おそらく、ホルモン治療の影響だろう


が、私は主治医や看護師さんに、
助けを求めることをしなかった

いや、できなかった

「助けて!!」と心は叫んでいた

が、“誰かに頼れない弱さ”があったのだ

たった一言、
勇気を出して救いを求めていたのなら、
もう少し、
楽に治療期間を乗り越えられたのかもしない


そんな話を彼女にすると、彼女は驚いていた

それは、
現在の元気そうな私の状態からは、
到底、想像ができないこと

そして、そのつらさに、
薬も飲まずにただ耐え続けたことだった


私は自らの経験から、
いつもみんなに伝えていることがある

それは、

『誰かに頼ることは、弱いからじゃない』

ということ

私は弱いから、それができなかった

薬や専門家に救いを求めることは、
決して“弱いから”じゃない


抗不安薬や眠剤を使うことに、
罪悪感や抵抗感を持っている人もいる
 (私もそうだった)

が、

“がん”という身体も心もつらい治療の中で、
少しでも気持ちが軽くなれるのなら...

身体が楽になれるのなら、

誰かに、何かに頼ってもいいと思う


身体と心の叫びを、受け入れてほしい

独りで抱え込まないでほしい


『つらい時は、
 “つらい”って言っていいんだよ』――


  そして私はこれからも、
  “少しでも、そんな人たちの力になれれば...”
  と、思っている



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それを言えるのが“サロン”であり、“仲間”である

がんになった人の多くが抱えている思いがある

それは、

“家族であっても、
 病気のことは理解してもらえない”という思いだ


「具合が悪い」とか、
病気や体調の不安は
なかなか家族には言えないものである

それが“他人”ともなれば尚更だ


  ○話しても理解してもらえない
  ○相手の反応が悪い
  ○過剰な心配をされた
  ○病気の話を持ち出してもいいのだろうか...

などの理由がある


そんな思いから、周囲と距離を置くこともある

所謂、“健康な人”といわれている人たちとの間に
“壁”を感じることもある


がんサロンは、そんなみんなの心を、
“解き放つ場”なのだと思う

それはもちろん、私も含めてだ

殊、体調に関しては、
心置きなく本音を話せる

それは、
同じ“がん”を経験している“仲間”だから


たまにここでも、
体調が悪いことを綴ることがある

正直、書いていいものか、迷う

が、書くことは心の整理につながる

救われることも多い

で、結局、
つらさをここにぶつけてしまっている訳だ


病気を抱えている者にとって...

それが治療中であるのなら尚のこと、
多くの人たちが、
体調が思わしくない中で
ブログを書いているのだと思う

正直、この数日間も、
しんどかったりするのだが...


それでも、書くことが好きだから

文字を綴るのが...
文章を紡ぐのが好きだから

だからこうして
日記を書き続けているのだろう


以前、言われたことがある

「ブログはきっと、
 りかこさんにとっての“抗がん剤”だね」と――

確かにそうかもしれない


だから、まだまだ書き続ける

自分のために...

そして、大切な人たちのために――



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りかこプロフィール

 
★2009年5月より
医療機関開催“がんサロン”発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆

★2010年9月
市広報にて体験記掲載

★2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

★2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

★2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

★2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

★2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

★2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

★2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

★2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

★2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

★その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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★国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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★子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

メッセージはこちらへ
乳がん履歴
★2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

★2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

★2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

★2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

★2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

★2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

★2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

★2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

★2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
★がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER 90%
 ・PgR 10%
 ・HER2 (-)

★術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

★治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
★2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫  1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫 4個

★2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症発症(両足)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
★2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

★2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

★2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

★2009年5月
 頸部再発(切除手術を受ける)

★2012年5月
 肺転移確認

★2015年5月
 小脳転移確認

★2015年7月18日
 永眠

  ※再発後の治療法・治療薬なし
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★また、2014年5月22日より、スマートフォンからのコメント投稿による誤送信を防ぐため、画像認証制を取り入れさせていただきました。認証英数字は“半角”での入力をお願いいたします。
 お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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≪2016年11月2日分より、コメント欄を開放しております≫

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≪2016年12月3日分より、コメント欄を閉鎖させていただいています≫


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