りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2017年07月

いつになったら“普通の生活”に戻れるのだろう...

ちょっとどんよりな月曜の朝

外気はすでに秋を思わせる冷たさだ

が、

夏の火照った身体は
そう簡単には冷めてはくれない


そして、突然泣き出した灰色の空

まるで泣き止まない赤子にように、
大きな音を立てて降り続いている――


そんな1週間のはじまり

そんな7月最終の朝――



こんな空だと、心も晴れない

こんな日は、せめて青い空が見たかった...





  いつになっても、出血、出血、出血...

  ずーっと、下腹部痛、下腹部痛、下腹部痛...

  出血をすれば、
  不正脈、血圧異常、徐脈の体調不良に襲われ、
  倦怠感、ふらつきが現れ...


     トイレでも、お風呂場でも、
     もう血を見るのは嫌だ...


     テレビで流血のシーンや
     血のりを見てもゾッとし...



  いつになれば、普通の生活ができるのだろう

  いつになったら、元の生活に戻れるのだろう


    “普通の生活”ってなに?

    月日は流れてる
    “元の生活”には戻れない




  10年以上も通っている婦人科

  乳がんをやっているから
  ホルモン剤は使えないのに...

  だから、
  ホルモン剤の入っていない止血剤を
  処方してもらっているのに...

  ここのところ、毎月のように
  婦人科にかかっているのに...


  それでも時々、
  「ホルモン剤、使ってみる?」

  と、提案される、
  乳がんのことは忘れられる

  患者として悲しいことだ


  決して“効いている”とはいえない止血剤

  それでも、これに頼るしかない現実――



時々、こんな現状に辟易とする


時々、こんなふうに心が荒れる


時々、こうして叫びたくなる


どうにもならない現実に――



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四つ葉のクローバー。“幸せ”の定義。

「四つ葉のクローバーを見つけたら、
 幸せになれるんだよ」――


子どもの頃、
友だちからそんな話を聞いた

学校帰りに
シロツメクサが咲いているサイクリングロードを歩きながら、
一生懸命に探した


一緒に探していたクラスメイトだちが、
一人...また一人...と、
四つ葉のクローバーを見つけてゆく

その中のひとりは、
2つ、3つ...と、
いくつもの四つ葉のクローバーを次々と見つけ、

さらには、
“五つ葉”、“六つ葉”なんてのも手に取って誇らしげにしていた


『なんで私だけ、見つけられないんだろう...』――


それ以降も、
私は四つ葉のクローバーを見つけたことがない



その頃の“幸せ”といえば、
漠然としすぎていた

まだ小学生の女の子が描く“幸せ”は、
“結婚をして子どもがいる家庭”というところだろうか



“幸せ”とは――

『運がよいこと。幸運、幸福』が、
“幸せ”という意味らしい


“幸せ”って、
きっと、ひとりひとりの心の中にあるもの...

なんだと思う


裕福でも
“幸せ”だと感じない人がいるかもしれない

経済的に日々の生活に余裕がなくても、
“幸せ”だと感じる人がいるかもしれない


私は...

30代のある日、左の乳房にしこりをみつけたとき、

「ああ、やっぱり私は、
 幸せにはなれないんだ...」

と、思った


30余年の人生を顧みて、

「やっぱりこれが、私の人生のシナリオなんだ...」

そう思った


「今までの分、
 これからは幸せになる」――

しこりをみつけたのは、
まさに、そんなことを考えていた矢先だった


そして、その“幸せと”は、

“結婚をして女の子を2人産んで、
 幸せな家庭をつくること”

だった

結婚の夢は潰え、
子どもも産めなくなった


が、自分のことを“不幸”だとは思わなかった

もちろん、悲しかった

どれだけ泣いたかわからないくらい悲しかった

それでも、“不幸”という感情にはならなかった

病気になったことはつらくて悲しいこと

でも、“不幸”じゃない


乳がんになって、

命の尊さを知り、
日々の生活が当たり前ではないことに気づかされ、

季節の移り変わりを敏感に感じたり、

毎日空を眺めたり、

ひとの温もりに触れたり...


それは、これまでに感じたことのない感情だった


様々な人たちに出逢い、
様々なことに出逢い、

諦めたこと以上に、
たくさんの出来事や愛情が、
周りにあふれている

それがたとえ、
病気が創りだしたものだとしても、いい


だから、今の私は“幸せ”だ

病気になる前の私より、確実に


もちろん、それは、
今、こうして生きているからこそ
言えることなのかもしれない


私の究極の夢は、最期に、

「自分らしく生きた」

と、笑顔になれること

それが、最後に私が
“幸せ”だと感じられる瞬間なのだと思う


“幸せ”には色々なカタチがある

“幸せ”は、
それぞれのココロに持っているもの

それが、きっと、“幸せの定義”なのだと思う――



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“今日”という一日は...

風邪、暑さ、寝不足...と、
なかなかベッドから起き上がれない朝

曇天が、
重い身体をさらに重くしているのか...


ちょっと遅めの朝食を摂り、

ダラダラと支度をはじめる


こんなときでも食欲があるのが救いだ

食べられることに、今日も感謝

こう見えて、意外と夏バテ知らずなのである


  ちなみに、夏バテ予防には、
  しっかり食べることが大切らしい

  そうめんばかり食べていると
  必要な栄養が摂れず、
  余計に夏バテを起こすようなのだ


なのに、この数年、
なぜか風邪をひきやすくなっている

免疫力とバランスのいい食事は別物なのか

それとも、

“がん(乳がん)をすると、風邪をひきやすくなる”

なんてことが、あるのだろうか...


さ、気づけば、もう7月も終わり

そろそろ8月のカレンダーに替えるとするか――



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夏のホットフラッシュのお供 ~扇 子~

治療中、お世話になった扇子


扇 子


5年間のホルモン治療中、
とにかくホットフラッシュがひどかった

夏は特にどっしりと濃厚な、
独特な暑さが襲ってきた


そこで思いついたのが“扇子”だった

今は100円ショップで
たくさんお洒落な柄のものが売っている


...が、買ったはいいが、
実はしばらくの間、使えずにいた

それは、人前で使うことの抵抗感

まずは、“あおぐ”という行為だ


中学の頃、厳しい国語教師がいた

私が子どもの頃は、
まだ学校に冷房なんかなかった時代

いや、学校だけではなく、
街のお店にも、どこにもなかった

“北海道”という土地柄なのだろうか


その教師は、授業中、暑さのため、
下敷きでパタパタあおいでいる生徒に向かって
こう言った

「先生が暑いのにこうして授業をしている。
 だからお前たちもあおぐのをやめろ。
 あおぐのは、聞く態度じゃない」

と...

それから“あおぐ”という行為が、
相手に対して
“失礼に当たること”だと思うようになった


そして、人前であおげない理由がもうひとつ

それは、
“ホットフラッシュ”という現象

周囲から
“更年期”と思われるのが嫌だったのだ

「暑いの? 更年期?」

そう言われやしないかと、
内心、恐れていた


そんな私が扇子デビューをしたのは、
がんサロンだった

『ここなら、きっと、
 病気のつらさを誰もがわかっている。
 もちろん、副作用のことも。
 “更年期じゃないの?”なんて、
 心ない言葉を投げかける人はいない』――


が、それでもやはり、
はじめの頃は恥ずかしさが抜けず、
なかなか使うことができなかった

テーブルの下に忍び込ませて、
目立たないように、
小さくパタパタあおいでいた

そのうち、

「ホットフラッシュがひどくて...」

と、自ら副作用のつらさを吐露できるようになり、
顔の前で思いきりあおいだ

そこにあるのは、“共感”という安心感


「私なんか汗かきだから、夏場はダラダラだよ~」


サロン参加者の、そんな話を聞きながら――



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「がんが消える」とか、「がんが治る」とか...

またもや、
エビデンスの確立されていないがん治療を施し、
逮捕者が出たらしい


「この施術をすれば、がんが消える」

とか、

「これを飲めば、がんが治る」

とか、

得体の知れない民間療法の類は
山ほどある


  その療法が正しいのなら、
  がんで苦しんでいる人はいない

  その療法でがんが消えるのなら、
  がんで亡くなる人はもっと減っている

  そんなに簡単なことでがんが治るのなら、
  とっくに特効薬が出ている

  そして、その療法が、
  すでに世界中に広まっているはず

  そんなに簡単なことで済むのなら、
  日夜、がん治療の研究をしている人たちは、
  なんなのか...


それほど“がん”という病は
誰もが関心を持ち、

誰もが恐れている病なのだろう

「手立てがない」と言われた患者にとっては、
藁にも縋りたい思いだ


が、

“それを逆手に取っている”というのが現状


「がんが治る」

「がんが消える」

と謳えば、
苦しんでいるがん患者は救いを求めるのも事実だ


今や、“日本人の3人に2人ががんになる”――

そんな時代

身近な病であるのは間違いがない

そして、時には命をも脅かす

そんな弱みにつけ込んだ“商売”なんて
あってはならない



以前、海外で、
“末期がん”と、自らネットで発信した女性がいた

多くの同情の声があがり、
多額の寄付金が集められたようだが...


結局、“末期がん”というのは、真っ赤な嘘

世界中のがん患者の怒りを買ったのは
記憶に新しいところだ


“がん”という病が
歪曲した“ビジネス”となってしまうのなら、
あまりにも哀しすぎる――



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りかこプロフィール

 
★2009年5月より
医療機関開催“がんサロン”発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆

★2010年9月
市広報にて体験記掲載

★2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

★2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

★2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

★2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

★2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

★2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

★2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

★2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

★2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

★その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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★国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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★子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

メッセージはこちらへ
乳がん履歴
★2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

★2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

★2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

★2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

★2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

★2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

★2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

★2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

★2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
★がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER 90%
 ・PgR 10%
 ・HER2 (-)

★術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

★治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
★2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫  1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫 4個

★2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症発症(両足)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
★2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

★2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

★2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

★2009年5月
 頸部再発(切除手術を受ける)

★2012年5月
 肺転移確認

★2015年5月
 小脳転移確認

★2015年7月18日
 永眠

  ※再発後の治療法・治療薬なし
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 お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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