遅れたのには訳があって...。
“悪性”だね。
“乳がん”...ということだね」
そう告知されたのは、11年前の今日
奇しくも同じ火曜日だ
違うのは、
昨日、雪が降らなかったこと
そして、11年前より今日の方が寒いこと
あの日、私は、
『大丈夫。
だって5年前に“良性”って言われてたじゃん』
そう自分を慰めるように、
何度も何度も心の中で呟きながら
病院へ急いだ
検査結果が遅れたこと
そして、
「検査結果が出たら、お電話しますね」と、
看護師さんから言われたわけでもないのに、
前日に、
「検査の結果が出たので、
なるべく早く聞きに来てください」
という看護師長さんらしき人の、
息せき切ったような声...
検査の時からの医師の表情や雰囲気からして
すでに異様な空気を感じていた
...が、まさか本当に“乳がん”だなんて...
5年も放置したがんが、
どこまで身体を蝕んでいるのか
なぜ定期的な検査を勧めてくれなかったのか
いや、あのとき、
なぜきちんと検査をしてくれなかったのか、
ほかの病院を紹介してくれなかったのか...
哀しみと憤りで、
心が張り裂けそうだった
私はあと1年生きられるのだろうか...
冷たい風に吹きつけらて
人目もはばからず、
ボロボロに泣きながら歩いて帰った私は、
今考えても惨めだ...
でも、不思議とまだ生きている
誰もが最悪の状況だと思っていた
でも私は、まだ生きている
あれから11度目の冬――
『こんな医療は、決してあってはならない』
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