ならない方がいいに決まってる
病気になんて、
本当はなりたくなんかない
がんになって、
どれほどのことを諦め、
どれほどのものを失ったか...
手術をしても、
治療を終えても、
元には戻らない身体
元には戻らない生活
が、得たものも多いのも事実だ
生きることの意味、
命の尊さ、
ひとの温もり...
「乳がんになってよかった」
...のかどうかはわからないが...
よくはないか...
それでも、
たくさんのことを考えさせられたのは、
紛れもない事実なのだ
そしてもうひとつ、
「がんでよかった」と思うことがある
それは、“死”だ
ある、
がん看護専門看護師の方に言われたことがある
「私は死ぬなら“がん”がいい」
と...
「がん患者の前で、
何を言っているのだろう...」
と、思った
が、彼女はこう付け加えた
「だって、死ぬ準備できるでしょ。
交通事故や
ほかの病気で突然...なんてなったら、
家の中ぐちゃぐちゃだもん。
預金はないからいいんだけど、
子どものこともあるしね」
それは、がん患者である私たちへの
励ましの言葉だったのかもしれない
いや、
がん患者を何百人と見てきたからこそ
言える言葉なのかもしれない
それまで私は、
がんになってしまったことを憂いていた
哀しくて、つらくて、苦しい闘病
いつ終わるともわからないがんとの闘い...
が、看護師さんの、
はっきりと言い放った言葉を聞いて、
心に変化を感じた
この世には、
数えきれないほどの病気が存在する
がんだけが特別でもなければ、
がんだけが先を悲観する病ではない
身体が動かなくなるわけでもない
記憶が失われるわけでもない
手や足も使える
食べ物を食べることも、
物を見たり、聞いたりすることもできる
がんだって、
何十年も生きられるかもしれない
生きていくには充分すぎる
私は、たくさんの人たちが
ほかの病と闘っていることすら
忘れていたのだ
病気に、
何が良くて、何が悪いなんて、
比較はできない
が、とりあえず、
「“がん”でよかった」――
そう思うことにしておこう
確かに、
数え上げればキリがないほど、
乳がんになってからの私の人生は
充実している
治療の副作用は、
「死にたい」と思うほど
つらいものだったが...
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