りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2018年12月

“キイトルーダ”、もっと早くに・・・

先日の、
ノーベル生理学・医学賞受賞で話題に上った、

“オプジーボ(ニボルマブ)”

少し前には、その薬価の高額さに
独り歩きをしていたが、

私たちがん患者にとっては
命をつなぐ薬だと期待をしてしまう


そして、“オプジーボ”と同様に、
免疫チェックポイント阻害剤として、
一部のがんに使用されていた、

“キイトルーダ(ペムブロリズマブ)”

であるが、この度、
全臓器適用が承認となったようだ
 (血液がんは対象外)



本当に、医学の進歩は著しい

この数年で、一気に歩を進めた印象だ


『最後まで諦めてはいけない』

と、思う


『医学は進歩している。
 明日、いい薬が出て来るかもしれない。
 最後まであきらめないで』

そう言っていた看護師さんの言葉が、
私は今も忘れられない



そして...

今のところ、
適用になるかはどうかはわからない

おそらく、ならないとは思う


が、

「もし、母が生きていたら...」

時々、そう思うことがある


「もし、母のがんが治療対象だったとしたら、
 母はまだ生きていたのだろうか...」



と、同時に、

「もし私が再発をしたら...」


化学療法も放射線も効かないがん細胞に、
効果はあるのだろうか



...と、

新薬が開発されるたび思うのだ――



  様々な治療薬が開発されてゆく

  が、未だがんを撲滅させる方法はない

  それほど“がん”というものは、
  複雑なものなのだろう
 
  “がん”は一筋縄ではいかない、
  頑強な相手なのだ



  近い将来に、
  すべてのがんが治る時代が来ますように

  がんでつらい思いをする人が
  いなくなりますように

  この世から、
  がんで悲しむ人がいなくなりますように...



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冷え込んだ朝。早朝の月。

午前6時前


まだ明けぬ漆黒の空に浮かぶ月


2018/12/28 朝 ①


あしたは下弦の月だ




そんな今朝の気温は、氷点下18.5度


ここまで冷え込むと、

さすがに寒さが沁みる




日本各地で降雪、


そして、ここ北海道でも

猛吹雪となっている地域もあるようだ



が、

「本当にここは同じ北海道か...」

と、思えるほど、

私の街は

雲ひとつない穏やかな青空が広がっている





さ、

窓に凍りついた結露を

ヘアドライヤーで溶かしたら、


熱いコーヒーでも淹れるとしよう――



2018/12/28 朝 ②



  「捨てよう」

  「捨てよう」


  と、思いながら、

  またもや

  重曹でピカピカに磨いてしまった、

  ぶーちゃんカップ


  割れるまでは、

  やっぱり捨てられないものだ...



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“腋窩リンパ節郭清後の注意点”の意味と、マッサージの有用性

腋窩リンパ節郭清をすると、
様々な注意点がある


大きく2つに分けると、


  ○重いものを持ってはいけない
  ○術側の腕に
   採血や血圧測定をしてはいけない
  ○腕を締めつけるような服や
   アクセサリーは避ける
  ○バッグなどを内ひじに掛けない
  ○リュックは背負わないように


というグループと、


  ○術側の腕で採血などはしないように
  ○術側の腕への傷や
   虫刺されに気をつける
  ○土いじりはゴム手袋をする
  ○過度な日焼けを避ける
  ○肌の乾燥に気をつける


というグループだ


上記のグループは、

“リンパ節を取ったために、
 リンパ液の流れが悪くなるから”

というのは、誰もが理解しているようだ


が、下記のグループに関しては、
その理由を知らない人が
意外と多いことに気づかされる

では、なぜ、
これらに注意をしなければならないのか...

いわゆる、“感染症”に
気をつけなければならないことになるのだが――



  リンパ節は、
  体外から侵入してきた細菌やウイルス、
  変質した自分の細胞(がん細胞)を
  攻撃・排除してくれる、“関所”のような器官

  そのため、
  リンパ節を取ってしまった術側の腕に
  怪我をしたり、
  素手で土いじりをしたり、
  肌を乾燥させてしまうと、
  排除機能が失われているため、
  感染症のリスクにさらされるというわけだ


  ちなみにリンパ節は0.5~3cmの大きさで、
  そら豆のような形状

  腋窩や首、鼠径部などに集中しており、
  全身では約600個あるといわれている



私が乳がんの手術をした当初、
“腕が浮腫まないように”と、
とにかく、

「マッサージ」
「マッサージ」

と言われた


1日2回、1度に20分かけて、
リハビリも行わなければならない

マッサージにも十数分~20分程度かかる

  ちなみに、マッサージの方法は...
   → 『リンパマッサージ』

左腕に、どれほどの時間を費やしたか...


が、程なくして、

「腕に浮腫みがなければ、
 マッサージはしなくていい」

と、言われるようになった


『これまでマッサージしていたのは
 なんだったんだ...』


と、大きな衝撃を受けたものだ

まさに、

“過去の常識は、今の非常識”

だと感じた瞬間だ

  実際に、理学療法士の方も、

  「考え方は変わっていきます。
   この先も、
   変わってゆくかもしれません」

  そう言っていた



結果、

  『浮腫みがなければ、
   マッサージの必要はない』

  『マッサージに、
   リンパ浮腫の予防効果はない』


ようである――


   ☆患者自身はもとより、
    ご家族や周りの方々の理解が
    深まることを願って...



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『明るくなれる、乳がん患者のための10か条』 ~これができれば苦労しない~

以前、こんなものを目にしたことがある


それは、ある医師が考案した、

『明るくなれる、乳がん患者のための10か条』


   1.いい友達を持つ
   2.家族の関係を改善する
   3.あるがままの自分を受け入れる
   4.身体を動かす
   5.生き甲斐を持つ
   6.お洒落をする
   7.定期的に健康診断を受ける
   8.睡眠を上手にとる
   9.食事は3食、バランスよく
  10.いつも勉強、チャレンジを



これを見たのは、ホルモン治療中の、
心も身体もつらいさなか

が、“明るくなれる”どころか、
落ち込んだ心に
追い打ちをかけられたようだった

それはまるで、
今の自分を否定されているような、

「もっと頑張りな」

と、言われているような...



【いい友達を持つ】のも、
【家族の関係】も、
そう、すぐにできるわけがない


“がん”という現状も、
【あるがままの自分】も、
受け入れなければならないのはわかっていても、
それができるまでには時間がかかる


【身体を動かす】ことも、
心の調子と体調が悪ければ、
そんな気分にもなれない


【生き甲斐を持つ】なんてことも、
当時の状況では、
そんな気持ちには至らない

生き甲斐を持たなければいけないことは、
充分にわかってはいても、

乳がんになって
諦めなければならないことばかりで、
まだ、“生き甲斐”なんて考えられなかい

治療を乗り越え、
なんとか現状を維持していくのが
精いっぱいだ


【お洒落をする】のも、
お洒落をすることで...

化粧をするだけで、
気持ちが変われたりする

が、治療中の本当につらい時期は、
お洒落をする気持ちにもなれない


【定期的に健康診断】は、
よくわからなかった

まぁ、
「健康に心がけろ」ということなのだろうか

そうすることで、
“元気な身体と向き合う”と...

  それでなくても、
  “検査”、“検査”なのだけれど...


【睡眠を上手にとる】に至っては、
ほとんど眠ることができていなかった私に

「やっぱり眠剤に頼らなければならないか...」

と、思わせた


【食事は3食、バランスよく】は、理想だ

ホルモン治療で味覚が落ち、
恒常的な胸のむかつきで
何を食べても美味しくなかった

が、とりあえず食べられたことが幸いだった


【いつも勉強、チャレンジを】に至っては、

「前向きに」

そう言われているようで...

今の自分を否定されているようで...

あまりいい印象を受けなかった



この“10か条”に至るまでには、
きっと時間が必要なのだと思う

そして、元気づけられるひと、

逆に、
今の自分を否定されたかのように感じてしまう人も
いるだろう

  私のように...



もちろん、今となっては、
この医師の謂わんとしていることはわかるのだが...

  エールであることも...


が、

“がんであること”を受け入れ難い初期の頃には
難しい課題である――



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美容院の予約。病院の予約。

「そろそろ行かなければ...」

と、思いながら、
なかなかいけない美容院

時間が取られてしまうこと、
そして、
体調がよいときを見計らわなければならないため、
日にちの調整にいつも苦慮する

が、こんなときは、
いくら考えても駄目である

無理矢理、予約を入れて、
合わせるしかない

...ということで、一つ予定を削り、
都合がつきそうな時間に予約完了



そして次は、病院の外来予約

今年もいよいよこの時期が
やってきてしまった...

そう、全身検査だ

乳がんの手術を1月にしたため、
毎年1月末から2月にかけて、
再発・転移がないか、
検査をすることになっている

前回は、“手術から10年”ということで、
CTと骨シンチを省き、
マンモと超音波、そして採血のみ

今回は、全身をくまなく検査しなければ...

  2ヶ月半ほど前から、腰も痛い


ほぼ一日、病院に缶詰め  疲れる...

検査も憂鬱  痛かったり...

結果も不安...  毎回、結果を聞くのは嫌なものだ

そんなこんなで、毎年、
なんとも落ち着かない年末年始なのである


こうして一生、検査...検査...

か――



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りかこプロフィール

 
■2009年5月より
医療機関開催『がんサロン』発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆
(■2026年2月よりピアサポーターとして『ピアサポーター通信』を新たに執筆開始)

■2010年9月
市広報にて体験記掲載

■2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

■2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

■2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

■2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

■2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

■2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

■2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

■2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

■2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

■2025年10月
北海道医療ソーシャルワーカー協会主催『がんピアサポーター養成研修会』受講終了

■その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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■国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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■2024年より
子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

■2024年10月
市民観光アンバサダー就任

乳がん履歴
■2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

■2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

■2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

■2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

■2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

■2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

■2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

■2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

■2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
■がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER  90%
 ・PgR 10%
 ・HER2(-)

■術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

■治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
■2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫   1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫  4個

■2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症に進行(両足)

■2024年10月
 骨粗鬆症判明

■2025年10月12日
 突発性難聴発症(左耳)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
■2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

■2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

■2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

■2009年5月
 頸部再発
 (切除手術後、放射線治療を受ける)

■2012年5月
 肺転移確認

■2015年5月
 小脳転移確認

■2015年7月18日
 永眠

  ※遠隔転移後の治療法・治療薬なし
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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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