りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2019年03月

副作用は、“がんと闘っている証”

ひとが、“がん”という病を発見してから、
どれくらいが経つのだろう

未だ、その全容が解明されておらず、
治療も確立されてはいない


“がん”はその昔、
“死の病”と恐れられてきた

今では、
“早期なら完治も可能”と
言われるようにはなったものの、

それでも、
「がんです」と告知をされれば、
誰もが“死”を意識する

その後の再発の不安も拭えない



そして、さらに
“がん”という病を恐怖に陥れるは、“治療”だ

一般に“抗がん剤”と言われている化学療法は、
“がん”と聞くと、
真っ先に頭に浮かぶ治療法

その副作用に、
患者はつらい思いをするのだ


私が術後してきた治療は、
“ホルモン療法”というもの

「化学療法より副作用は軽い」

と言われているようだが、

「この文言を、
 この世から抹消してほしい」

そう思うほど、つらいものだった


それはまさに、“闘い”

「こんな思いをしなければ、
 頑強ながん細胞はやっつけられない」

「これに耐えなければ、
 がん細胞を身体から消すことはできない」

そんな思いで耐えていた


化学療法にしても、

髪が抜けたり、吐き気がしたり、
高熱が出たり、味覚異常が起きたり...

と、
文字にすれば軽く感じてしまいそうだが、
とにかくきつい治療だ


が、それは、“がんと闘っている証”

薬ががん細胞を
やっつけてくれているのだ



私たちの願いは、
“がんを完治させる薬”の開発

そして、
つらい副作用から解放される、
“がん治療薬”の開発だ


がん治療薬を飲みながら、
なんの副作用もなく過ごせたら...

こんなに楽なことはない

仕事も続けられる

体調も悪くない


「がんって、
 こんなに簡単に治療ができるんだ...」


そんな時代が来たら、
きっと、“がん”という病の見方も
もっと変わってゆくのかもしれない――



  夢のまた夢...

   ...かな



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はらはらと、春の雪――。

氷点下6.4度の朝

  まぁ、こんなもんか...




窓の外ははらはらと、

春の雪が舞っている――



...と言いたいところではあるが、

かなりの勢い


そんな風情はない




テレビでは連日、

桜の開花のニュース



「同じ“日本”という国に住み...

 なのに、なんという違いだ...」




まぁ、

“お楽しみは、これから”


...ということで




さ、コーヒーを飲み終えたら、

“今日”という一日をはじめるとするか――



  二度と訪れることのない“今日”という時間


  大切に味わいながら、

  過ごしていこう



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がん患者は狙われる

後を絶たない、「がんが治る」という、
おいしい言葉に騙される人びと

そんな魅力のある誘い文句で
がん患者を食い物にしてきた人間が逮捕されるという、
なんとも腹立たしい事件が
またもや昨日、耳に入ってきた


なんでも、ある植物をサプリメントにして
“医薬品”として販売していたようだ

サプリメントは、“食品”だ

“医薬品”ではない


「250人のがん患者が、
 このサプリメントで再発していない」

そう言い切っていたようだが...

そんなことは
わかるはずもないだろう


15年間で1860万円、稼いだそうだ


“ひとの弱みに漬け込む”とは、
こういうことを言うのか――



藁をも縋りたい人たち

が、がん患者にとってその藁は、
良いものではないことがほとんどだ

おいしい話はある筈がない

それでも、一縷の望みを求める



私がもし、この先、

「もう手立てがありません」

そう言われたら、
やっぱりそういうものに手を出すだろうか

「どうせダメなら、なんでもいいから
 手当たり次第に試してみよう」

そう思うだろうか

  が、その手のものは
  高額なものがほとんど

  金銭的には無理である


  当然のことながら、
  初期のがんなら、使う訳がない


  私の両親もそんなおいしい言葉に
  簡単に騙されそうなタイプだ...



これほどまでに進んだ医療

それでも未だ、
“がんの特効薬”はない


「がんが治る」
「がんが消える」

は、
一番信じてはいけない言葉である――



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さ、とりあえず...

今朝も窓の結露取りからはじまる朝


一年の半分は、

結露を取っている気がする...





さ、とりあえず...


2019/03/27 朝



コーヒーでも――


  パソコン画面の雄大な北海道を眺めながら、

  春気分を味わって...



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何もできない身体。でも、誰かのためにできることがある。

がんになると、臓器提供どころか、
献血さえもできなくなる

できるのは、唯一、角膜だけ...

健康保険証の裏に記載されている、
“臓器提供を希望する”に、
丸印は付けられない


そして、“がん患者の臓器移植”というと、
いつも思い出すことがある

それは、昔、肝臓病の患者に、
がん患者の肝臓を移植し、
倫理が問われた医師の話だ

患者にとって、
“移植しか生きる道がない”となれば、
それがたとえ、
がん患者の肝臓であったとしても、
移植を望むのだろう

それは、“今、生きていくために”

が...

いつも考えさせられるのである



少し前になる

白血病を公表した、
日本を代表する10代の女子競泳選手

現在、治療が続けられているようだが...


彼女のがん公表で、
骨髄バンクへの問い合わせが数十倍に増え、
骨髄バンクの登録も増えたようだ

このようなことでもない限り、
なかなか注目されない病のこと

一般人がいくら声高に叫んでも、
その訴えは広く行き渡ることはない

著名な方が病を公表することで、
ようやく周知されるのが現実だ



「先日、
 “競泳選手が白血病を公表して、
 骨髄バンクの登録者が増えた”と聞いた

 でも、私は、骨髄も臓器提供も、
 献血もできないんですよね」――


と、
乳がん治療をはじめてまもなくの女性が、
ぽつりと口を開いた

やはり衝撃的なのだろう

“提供ができない”ということは、

“身体のどこかに
 がん細胞が巣食っている可能性がある”

という意味が含まれている

そこには“完治”という現実はない

私自身も、
「献血さえできない」と知ったときは、
やはり大きな衝撃を受けたものだ


誰かを助けるために、
何もできない身体

が、誰かのために何かをするのは、
なにも臓器提供だけではない

「道端のごみを拾うことだって、
 ひとのためだよ」

そう言っていた医師もいたとか



きっと、それぞれに、
“誰かのためにできること”がある――



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りかこプロフィール

 
■2009年5月より
医療機関開催『がんサロン』発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆
(■2026年2月よりピアサポーターとして『ピアサポーター通信』を新たに執筆開始)

■2010年9月
市広報にて体験記掲載

■2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

■2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

■2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

■2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

■2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

■2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

■2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

■2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

■2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

■2025年10月
北海道医療ソーシャルワーカー協会主催『がんピアサポーター養成研修会』受講終了

■その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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■国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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■2024年より
子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

■2024年10月
市民観光アンバサダー就任

乳がん履歴
■2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

■2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

■2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

■2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

■2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

■2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

■2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

■2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

■2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
■がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER  90%
 ・PgR 10%
 ・HER2(-)

■術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

■治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
■2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫   1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫  4個

■2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症に進行(両足)

■2024年10月
 骨粗鬆症判明

■2025年10月12日
 突発性難聴発症(左耳)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
■2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

■2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

■2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

■2009年5月
 頸部再発
 (切除手術後、放射線治療を受ける)

■2012年5月
 肺転移確認

■2015年5月
 小脳転移確認

■2015年7月18日
 永眠

  ※遠隔転移後の治療法・治療薬なし
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