りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2019年06月

「死にそう」

「死にそう...」

という言葉を、
子どもの頃、何度か使った記憶がある

いや、大人になっても
おそらく使っているだろう


お腹が一杯になるまで食べて、
「死にそう...」

笑い過ぎて、
「死にそう...」


それは周囲でも、
当たり前のように使われていたように思う



が、自分ががんになって、
“死”というものを実感したとき、
不謹慎この上ない表現であることに
気づかされることになる

がん治療で、文字通り、
“必死”に生きている人がいる

そして、
病や事故で亡くなっていった人たち...


あまりにも軽はずみなこの表現で、
どれほどの人たちが
不快な思いをしていただろう...



奇しくも先日、私がその思いを
体験することになったわけだが...




簡単に使ってはいけない“死”という表現


本当の“死”ではなく、
笑い事として使われることが多い、
「死にそう」という言葉ではあるが...

“笑い事”では捉えられないのが、
私たちの病なのである――



  そんな私は、母から、真顔で、

  「死ねば?」

  と、返されたが...



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“生き甲斐” ~10年後の未来~

“生き甲斐”――


  ○生きる価値
  ○生きている喜び
  ○生きる張り合い


...などと説明されている


が、
言葉では表せないような気がするのだ





長年、続けていたボウリング


乳がんがわかって、諦めかけた


が、

「また、アプローチに立つんだ!!」


その思いでリハビリも頑張った


でも、正直、心は揺れていた




乳がんになって、

「死ぬかもしれない」


そう覚悟をして、


そんな限られた時間の中でも、

「自分らしく生きたい」

「輝いて生きていきたい」

そう願う


『目標があることは、
 生き甲斐につながる』

と、知った瞬間だ




今、こうしてボウリングをしている自分



BlogPaint



あの頃は、考えられなかった今の姿だ



   BlogPaint


体調が悪いときもあるけれど...


今、こうして生きている




BlogPaint

    ピンクリボンのユニフォームまで
    作られている



がんになって、


「死ぬかもしれない」

「あとどれくらい生きられるのだろう」


と、きっと誰もが考えるだろう



未来の自分を想像することもできない


今、あれから10年後の未来を、
私は生きている



これからの10年後、

私はどんな風に生きているだろう――



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没後20年――

時々、無性に聴きたくなる歌が
いくつかある

そのうちの1曲が、
村下孝蔵氏の『初恋』だ


彼が亡くなって、今年で20年

4日前が命日だった



当時、
彼はほとんどテレビ出演はしていなかった

切ない歌詞とメロディ、
そして心地の好い歌声に、
その容姿を想像していた

初めて何かで彼を見たとき、
サラリーマン風の、
意外な姿に驚いたっけ...



そんな今日も、
久し振りに彼の歌を聴きに行く

...と言っても、“ネット”である

今はいい時代だ、
こうして簡単に聴くことができるのだ



動画の彼は、
昔のままの変わらぬ姿

驚いたのは、その再生回数

そして、投稿されているコメント数と、
その内容、
さらには年代の幅の広さだ

当然、彼と同年代の人がいれば、
まだ10代という人

そして海外の人...

亡くなって20年経った今でも、
まだ書き込み続けられているコメントにも
驚かされた

そのコメントがまた、泣けてくるのだ



ひとは、いつか死ぬ、
必ず

がんになると、
その死が身近な存在になる


が、彼は、突然亡くなった

心の準備も、
生活の片付けもできないまま

“無念”って、
たくさんあっただろうな...


“命”はやっぱり尊いものだと、
考えさせられる



歌を聴き、
たくさんのコメントを読みながら泣いたら、
ちょっとすっきりした

たまに涙、流さないとね...



そんな今日は、かなり寒い一日

おとついの31.8℃が嘘のような12℃


部屋の中は、
扇風機と暖房機が同居している、
なんとも不思議な光景だ


2019/06/28 寒い一日 ①



夕飯は、
冷えた身体を温めようと...


2019/06/28 寒い一日 ②


野菜たっぷりカレー


多めに作ったので、

あしたの夕飯もカレーだな...



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“いつもそこにいた人が、いなくなる”ということ――。

もうすぐ母の命日

あれから4年――


あの頃のこの時期が、
一番つらい時間だった

どれほど、
「時が止まってくれたら...」と
思ったことか...


医師に、
「身体の中にがんは見当たりません」

そう太鼓判を押された母

そして、がんを5年放置した私...


なのに、母の方が先に逝くなんて、
誰が想像していたか...

がんという奴は、
本当にわからないものである




  そこに母がいるのが当たり前で、
  母の声が聴こえてくるのが当たり前だった

  そこに母の笑顔があることが当たり前で、
  そこに母の温もりを感じているのが
  当たり前だった


  そんな“当たり前の日常”が
  壊されてしまうこと...

  それは哀しく、淋しいものだ



  一日のうち、眠っている時間以外は、
  頭から離れなかった母のこと

  時の経過とともに薄らいでゆくその記憶


  楽しかったことも、
  闘病期間も、
  死の瞬間も...


  そして悲しみの涙はいつしか
  温かな想い出に変わってゆく


  あのときは、
  こうして心が安らいでゆく日が来るなんて
  思えなかったた

  時間はかかっても、
  少しずつ、少しずつ、
  心は癒えてゆくものだ


  あれから歳が止まったままの母

  そして私はひとつずつ、
  母の年齢に近づいてゆく――



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自分が“がん”になって思ったこと、感じたこと。

まさか自分がこの年齢でがんになるなんて
想像もしていなかった

50代の後半や60代であれば、
「もしかしたら自分も...」と、
思えたかもしれない

だから当然、
がん保険にも加入はしていなかった


子どもの頃から母親に聞かされていたのは、
「がんは、若いと進行が早い」
ということだった

でも、
「若いから進行が早い」というのは間違いだと
自分ががんになって知った


そして“がん”と言えば、イメージするのは、
やはり、“死”

まさに昔ドラマで見た、
病院のベッドで抗がん剤治療をしながら、
苦しそうに吐き、弱っていく...

そんな姿だ



が、実際にはそうではなかった

化学療法は通院で可能になり、
仕事もしながら治療ができる

それと同時に
副作用を抑える薬も進歩した



が、世間は昔のまま冷たかった

“がん”と聞くだけで、どこか蔑視的だ


普通に生活ができるのに、
「だって、死んじゃうんでしょ」と言わんばかり

肩身の狭い思いで
生きていかなければならないのが現実だった



が、時に人は優しかった

温かかった

がんになって絆が深まることもあった

そんな温もりに接すると、
感謝と優しさの気持ちがあふれてきた



が、時に人は離れてゆく

それはきっと、それまでの人間

きっと、そこまでの付き合い



が、時に人は、興味津々で近づいてくる

「乳がんって、どんな感じ?」
「おっぱいはどうなってるの?」

私を心配してくれているわけではなく、
“おっぱい”に興味・関心がある人もいる



がんになって、
あきらめなければならないことは多かった

たくさんたくさん、つら思いもしてきた

長い間、
体調不良にも悩まされた


「がんになってよかった」

というのは、
きれいごとなのかもしれない

が、
そう思うことで救われるのも、また事実なのだ



がんになって失ったものは多い

が、きっと失ったものばかりではないはず

小さなしあわせ、小さな喜び...

気がつかずに通り過ぎてきたものが
たくさんあることを知った

それは、

“当たり前”という言葉で
片付けられてきたものたちだ



改めて感じる

生きていることの尊さ

こうして命があることの奇跡



せっかく、今ある人生

“自分らしく”生きていかなきゃね――



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りかこプロフィール

 
★2009年5月より
医療機関開催“がんサロン”発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆

★2010年9月
市広報にて体験記掲載

★2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

★2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

★2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

★2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

★2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

★2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

★2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

★2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

★2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

★その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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★国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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★子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

メッセージはこちらへ
乳がん履歴
★2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

★2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

★2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

★2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

★2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

★2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

★2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

★2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

★2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
★がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER 90%
 ・PgR 10%
 ・HER2 (-)

★術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

★治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
★2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫  1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫 4個

★2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症発症(両足)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
★2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

★2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

★2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

★2009年5月
 頸部再発(切除手術を受ける)

★2012年5月
 肺転移確認

★2015年5月
 小脳転移確認

★2015年7月18日
 永眠

  ※再発後の治療法・治療薬なし
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★また、2014年5月22日より、スマートフォンからのコメント投稿による誤送信を防ぐため、画像認証制を取り入れさせていただきました。認証英数字は“半角”での入力をお願いいたします。
 お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

★営利目的だと思われるリンク、また、不当なリンクやコメントは削除させていただいています。また、個人を特定するものや商品名なども、編集・削除させていただく場合があります。

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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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≪2016年11月2日分より、コメント欄を開放しております≫

★非公開希望には対応しかねますので、コメントの投稿を控えていただきますようお願いいたします。

★個人を特定するもの、商品の宣伝、不当なリンクなど、編集・削除させていただく場合があります。

★公開が原則となっています。良識のあるコメントをお願いいたします。

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≪2016年12月3日分より、コメント欄を閉鎖させていただいています≫


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≪ランダムで開放しています≫


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   © Rikako,2011

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