りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2019年09月

“産めない”生き方 ~払拭させなければいけない想い~

『今日はなんで、
 こんなに妊婦さんに逢うんだろう...』――


日曜の午後

いつものように、
いつものショッピングセンターに買い物に行く

僅か十数分の間に、
5人の妊婦さんとすれ違う

もう十数年、
毎週行っているショッピングセンター

これまでお腹の目立つの妊婦さんを見かけたのは
数える程しかない



乳がんになり、
治療をはじめれば、
子どもは産めなくなることを知る

半年前、子どもを産む準備のため、
子宮筋腫の摘出手術を受けたばかりだ

女性にとって、
“子どもが産めなくなる”ということが、
どれほどの衝撃か...


テレビに出てくる赤ちゃん、
おむつのコマーシャル

婦人科検診に行けば、
幸せそうな若いご夫婦や
お腹の大きなお母さんがいる

小さなお子さんがたくさん集まる、
ショッピングセンター内の
フードコートに行くのが
一番きつかったかもしれない

一歩も足を踏み入れることができずに、
後ずさったこともあった


子どもが産めないことを
受け入れられるようになるまでに、
何年かかっただろう

そんなときの、自分への慰めの言葉は、

「今の時代、子どもなんかいたら大変だよ」

「子どもがいたら、
 お金がかかって仕方がないよ」

...だった


が、やはり、子どもは“宝”なのだと思う

子どもがいるから頑張れることは多いのだと思う



そんな今は、
ようやく幼い子どもを見ても
心が騒ぐこともなくなったが...


両親に孫を抱かせてあげられなかったのは、
最大の親不孝だろうか


子どもを産むだけが人生じゃない

今の時代、“産まない人生”もありだ


が、以前、
がん患者の方からかけられた言葉、

「“産まない”のと“産めない”のは違うよね」


その言葉が、
心の中でこだまするのだ――



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健康な人が簡単にできることでも、病気になると簡単ではなくなる。

乳がんの手術は
様々な後遺症が残る

乳房切除術と同時に行われる、
“腋窩リンパ節郭清”が
その最大の影響だろう


  腕を締めつける洋服やアクセサリーは
  しないように

  過度な日焼けを避ける

  虫刺されに気をつける

  土いじりはゴム手袋をはめる

  肌の保湿をする

  リュックは背負わないように

  手術をした腕で
  採血や血圧測定はしない


...などがあるが、

日常の中で
一番気をつけなければならないのが、

“重いものを持たないように”

という注意事項だろうか

  そもそも手術をして数か月~数年は、
  “重いものを持たないように”

  ...というよりは、
  “重いものが持てない”が...




乳がんの手術をして
2~3か月が経った頃だっただろうか

同居していた父に、

「これ、捨てに行ってくれ」

と、頼まれたものがある


それは、
45リットルのビニール袋いっぱいに詰め込まれた、
発泡スチロールなどの“ごみ”だった

「私、重いもの持てないんだけど...」


父は、
私が重いものを持てないこと・
持ってはいけないことは
もちろん知っている

「軽いから大丈夫だ」

その一言で、
私は200メートルほど離れたごみステーションまで
捨てに行く羽目になった


“発泡スチロール”と言っても、
さすがに45リットルの袋一杯では、
手術をして間がない私には、
かなり重いものだった

しかも、“45リットルの袋”は、
背の低い私には、
持ち上げなければ引きずってしまう

私はそのままアスファルトの上をずるずると、

『非情な父だ』

と、怒りや嘆きを覚えながら、
なんとかごみ置き場まで持っていった

引きずったお蔭で、
さすがに袋の下は摩擦で破れていた

手術をし、退院後、少しの間は
術側の血圧測定や採血、
重いものを持たないようにと
心配し、気を遣ってくれていた父

...が、
それもすぐに忘れてしまったかのようだ

まぁ、結局、
“人間”ってそんなもの


そして数時間後、
ごみステーションに捨てたはずのごみが
家に戻っているのを見つける

「さっき捨てたはずのごみが、
 どうしてここにあるの?」

父に問うと、

「ごみの日、
 今日じゃなかったから持って帰ってきた」

...って、そんなのありか...




その後、
新しい職場に就いたときのこと――


たかが1kgや2kgのものも持てないことに
気づかされる

日常生活の中では気づきづらいことが、
仕事場には多々あった

みんなは何食わぬ顔で進められる作業

そんなこともできなくなっている自分が
情けなくなった


きっと健康であれば、

  “健康の定義”は様々あるだろうが、
  敢えて、“健康”と言わせてもらうと...

なんてことのない、“普通”のこと

が、病気をすると、
簡単だったことも簡単ではなくなる



周りに理解を求めるためには
病気のことを伝えなければならない

そうなれば、
気を遣わせ迷惑をかけることになる

  実際に、無視をする人もいた

  「どうしてまともに仕事もできない病気の人と
   一緒に仕事しなければならないの?」

  そんなふうに思っていたのだろうか


職場でのカミングアウトは、
特に難しいと感じる



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Think Pink! ~乳がん啓発運動~

今日も5度と、寒い朝

が、日中は25度越えの夏日である

あしたは27度になるらしいが...




昨年手に入れた、ボウリングの
“ピンクリボンユニフォーム”


2018/10/19 ユニフォーム ①


スポーツウエア会社と、
ある医療機関がタイアップしたもの

このユニフォームを着用しての大会も
行われているようだ



...ということで、

10月の『ピンクリボン月間』には
3日早いが...



2019/09/28 ピンクリボンユニフォーム


私も、今年もこのウエアで投球

10月中は、このウエアを着るつもりだが、
果たしてこのウエアを見て、

『ピンクリボン(乳がん)に気づく人は
 どれくらいいるのだろう...』

と、考えさせられる


とりあえず、何もしないより、
行動を起こすことが大切である


乳がんで苦しむ人、
悲しむ人が増えないために――



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8年が経っても眠剤が手放せない人たちがいて、10年が過ぎても再発をする人たちがいる。

がんの手術から8年以上が経っても、
未だに眠剤を手放せない人たちがいる

がんの手術から10年以上が経っても、
再発をする人たちがいる


やはり、“がん”は、
そういう病なのだと思う

ずっと不安がつきまとう病気なのだと思う



さすがに10年も経てば、
「もう治ったような気がしていた」と、
誰もが口を揃える

そこにあったのは、“安心”

が、がんはそれを許してはくれない



がんとの闘いは、
終わりがないのだろうか

がんが完治する時代は、
本当に来るのだろうか――


そんなことを思った日



西の空には、
今日もきれいな夕焼け



2019/06/27 夕 刻



ありがたい、心の栄養である



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「お腹が空いた」と、感じる朝は――

「お腹が空いた」――



久し振りの感覚だ




お腹が「グーッ」と言うのは、

生きている証



お腹が「グーッ」と泣くのは、

元気な証拠



お腹が「グーッ」と鳴るのは、

「生きたい」という身体の叫び




さ、朝ごはん――



BlogPaint




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りかこプロフィール

 
★2009年5月より
医療機関開催“がんサロン”発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆

★2010年9月
市広報にて体験記掲載

★2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

★2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

★2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

★2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

★2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

★2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

★2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

★2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

★2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

★その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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★国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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★子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

メッセージはこちらへ
乳がん履歴
★2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

★2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

★2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

★2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

★2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

★2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

★2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

★2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

★2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
★がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER 90%
 ・PgR 10%
 ・HER2 (-)

★術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

★治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
★2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫  1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫 4個

★2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症発症(両足)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
★2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

★2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

★2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

★2009年5月
 頸部再発(切除手術を受ける)

★2012年5月
 肺転移確認

★2015年5月
 小脳転移確認

★2015年7月18日
 永眠

  ※再発後の治療法・治療薬なし
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子ども虐待防止「オレンジリボン運動」
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 非公開希望の方は、その旨書き込んでいただけるとそのように対応いたします。

★また、2014年5月22日より、スマートフォンからのコメント投稿による誤送信を防ぐため、画像認証制を取り入れさせていただきました。認証英数字は“半角”での入力をお願いいたします。
 お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

★営利目的だと思われるリンク、また、不当なリンクやコメントは削除させていただいています。また、個人を特定するものや商品名なども、編集・削除させていただく場合があります。

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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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   © Rikako,2011

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