りかこの乳がん体験記

 30代でみつけた左乳房のしこり。「“良性”だからそのままにしておいていいよ」。視触診だけで簡単に下された診断。そして私は医師の言う通り放置した。 4年8ヶ月後、大きくなったしこりを切除。“良性”だと思っていたのに、病理検査の結果は悪性――乳がんだった・・・。

2021年10月

白紙の手帳。


ベッドの中でゆっくりと過ごす日曜の朝

気温は予報通りの氷点下1度だ


ストーブに火を点け、カーテンを開ける――



2021/10/31 ハロ ①



窓の外に広がっていたのは、ハロ



2021/10/31 ハロ ②



美しいが、雨を知らせる空だ





そんな、寒さも本格的になりそうな朝

早くもあすから11月


「そろそろ来年の手帳を買わなければ...」



が、1年前に買った今年の手帳



2021/10/31 手帳 ①




新型コロナウイルス蔓延のため、

予定もなく、
どこへも行けず、
会議や講義もなく...


2021/10/31 手帳 ②



開いてみると、
どこにも、なんにも書いていない

真っ白のまま

こんなことは初めてだ

  考えてみると、
  今年はそもそも
  ほとんど持ち歩いていなかった



思い起こせば乳がんがわかった年

通院の予定で埋め尽くされていた手帳


年々、病院へ行く回数が減り、
少しずつ余白が多くなっていったっけ

治療中の手帳は、
まさに“通院手帳”でもあった


今はスマートフォンで
スケジュール管理もできるが、
やはり、開いて書いて、
簡単にめくって見ることのできる手帳は
手っ取り早い

  あとは、
  壁に掛けてあるカレンダーに書き込むという、
  アナログが一番である



さ、そろそろ手帳買いに行こう――




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今年最後の――。

10月が終わる

『ピンクリボン月間』の10月が――



10月が終わっても、
乳がんのことは、
どこか頭の片隅に入れておいてほしい

10月が終わっても、
検診のことを考えてほしい

10月が終わっても、
毎月の自己触診をしてほしい


10月が終わっても、
乳がんがなくなるわけではないから...




そして私は、今月最後の...

いや、今年最後のピンクリボンユニフォーム



2021/10/30 今年最後のピンクリボンユニフォーム



今月5回、これを着て投げた

これを見た何人の人が、
ピンクリボンに気づいてくれただろう...


このユニフォームは、来年までさよならだ

  “来年も、
  私が投げられる状態であれば...”の
  但し書きがつくが...




乳がんをしても、
こうしてボウリングに復帰できたことに感謝

乳がんが利き腕ではなかったことも
幸いだった

そして、
乳がんを5年放置したにもかかわらず、
こうして生きていられることも



改めて思う

身体に必要なエストロゲンが、
がんを引き起こす理不尽さを...


乳がんで命を落としたたくさんの仲間たち

彼女たちを想うと、
無念さが伝わってくる




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むかし別れた男たち。

私の将来、

『乳がんになる』

とは思っていなかった


ただ、婦人科には不安を抱いていた

あとはなぜか、“胃がん”

たぶん子どもの頃から、
「胃がん」というワードを
数多く耳にしてきたから

自分の中で一番身近ながんは、
“胃がん”だった



それでも30代の頃、
左の乳房にしこりをみつけたときは、

「やっぱり私の人生、こんなもんか...」

そう思った


乳がんになってたくさんのことを考えた

仕事のこともそうだ

断念しなければならないことがあったのも事実

その中で大きかったのは、結婚

そして出産だ


乳がんになって、

「彼と別れた」
「離婚をした」

そんな話もいくつか聞いていた


「彼に、
 “乳がんである私に、
 どう接していいかわからない”と言われた」

「主人が私のことを
 “もう女じゃない”って...」

「がん治療にお金がかかることに、
 “そんな治療費を稼ぐために、
 俺は働いているわけではない”と言われた」


  ひととして、耳を疑う言葉だ

  日本人の2人に1人ががんになる

  誰がなってもおかしくない時代だ

  もし、自分ががんになったら、
  こんな言葉を投げかけたことを
  少しは後悔してくれるのだろうか...



そして、
昔つきあっていた男たちを想像してみた

  まぁ、今さら要らぬ想像なのだが...


やはり、乳がんである私を
受け入れてはくれない人がいそうな気がした




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薬ができるまで。

乳がん治療薬、
分子標的約の“ハーセプチン(商品名)”
 (一般名:トラスツズマブ)

この薬に救われている人は、本当に多い



もう7年も前になる

この薬に助けられた女性に手渡されたCD



2021/09/10 『希望のちから』



映画『希望のちから』

  ここでも何度か記してきたが...

“ハーセプチンができるまで”を描いた、
ひとりの医師の実話だ

  ちなみに、“ハーセプチン”という名前には、

   ○ハー・・・がん細胞“HER2”の“ハー”

   ○セプチン・・・“インターセプト”の“セプト”
     ・妨害する
     ・迎撃する
     ・横取りする、という意味がある


   個人的には、
  『彼女(HER)をがんから守る』
   という意味のようにも思えてくる



ひとつの薬ができるまで、
どれほどの労力が必要なのか...

そこには莫大な費用もかかってくる




私が乳がんの治療をしたのは、ホルモン剤

ここにもきっと、数々の苦労があったのだろう


“ホルモン剤”と言っても、
いくつかの種類がある

私が服用していたのは、
“抗エストロゲン剤”

クエン酸タモキシフェンの“ノルバデックス”だ



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  【ノルバデックスの歴史】


1963年
イギリスのICI社(現アストラゼネカ)が開発

1964年 “抗エストロゲン薬”となる

1973年 10mg錠がイギリスで発売される
    (1日2回の服用)


が、乳がん治療には長い年月がかかる

1日2回の服用による煩わしさと
飲み忘れを防ぐため、
1日1回の服用で済むよう20mgを開発

その後、20mgを1日1回の服用でも
安定した血中濃度が維持されることを確認

1982年 イギリスで20mgが承認される



゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆



今では後発薬も数種類出ている

先発薬の薬価も
かなり下がっているようだ

  ちなみに、
  私が乳がんになった当初の、
  ノルバデックスの薬価は
  1錠500円ほどだった



薬が開発され、治験を経て、
ようやく私たちが安心して治療を受けられる

それは、過去のデータに基づいたものだ

そして、
私たちが受けた治療が今後のデータとなって、
次の時代に残されてゆくのだろう




完治する薬――

副作用のない治療――


私たちの願いは、
やはり、ここにあるのだ――



  がんが『死の病』と、
  恐れられていた時代があった

  それを思うと、
  今の医療の進歩は目覚ましいと思う


  が、数十年かかっても、
  未だ“完治する治療法”がない

  やはり“がん”は、難しい病だ




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罹患者ゼロのワクチン効果 ~子宮頸がん~

がんの原因は様々ある

  ・喫煙
  ・飲酒
  ・高塩分の食事
  ・バランスの悪い食事
  ・運動をしない
  ・肥満
  ・化学物質(約120種類あるとされている)


そして、ウイルスなどによる感染だ

“ウイルス感染によるがん”と言えば、
肝臓がんと子宮頸がんを真っ先に思い浮かべるが...



昨日の表彰式

表彰後、20分ほどみなさんとお話をした

その中で話題に上った“子宮頸がん”


がんの予防は生活習慣に気をつけるなど、
漠然としたものしかない

生活習慣に気をつけたところで、
がんにならない保証もない

もともとがんは、
“細胞の老化”であるということは、
歳をとれば、そのリスクは高くなるわけだ



が、子宮頸がんは、“ワクチン”という予防がある
 (もちろん、100%効果があるわけではない)

“子宮頸がんの95%以上が、
 HPV(ヒトパピローマウイルス)が原因”と
言われている

“ワクチン接種で
 重篤な副反応の報告があった”という事象から、
現在では強く推奨されていない
 (ワクチンとの因果関係は不明)



「“ワクチン”という予防策があるのだから、
 どうしても子宮頸がんを減らしたい」

『対がん協会』の中では、そんな思いがあるようだ


子宮頸がんは、
ワクチンで予防ができる数少ないがん

海外では積極的に接種されている

アメリカではワクチン接種が進み、
今では子宮頸がんに罹る人は“ゼロ”だという


オーストラリアでは、

「女性だけに接種するのは非効率」ということで、
2013年から男子にも接種しているとか
 (アメリカでは2009年に、
  すでに男子への接種が認可)



今回、新型コロナウイルスの出現で、
日本がワクチン後進国であることが
露呈した形となった

  もちろん、ワクチンをつくる技術はある

  過去に起きた訴訟が
  ワクチン開発の足枷となっている


「若い女性の検診と、
 (婦人科には行きづらいだろうけど)
 あとはどうにかワクチンを広めたい」

それが、協会の方々の声だった


  私は乳がん

  乳がんのことなら多少わかるが、
  子宮頸がんの知識はほぼない


  勉強になった一日だった






  そして、今日の朝の空――



2021/10/27 朝の空



  朝からこんなに素敵な空が観られたら、
  なんだか元気が出てくる気がする


  あしたもいい一日になりますように...




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りかこプロフィール

 
★2009年5月より
医療機関開催“がんサロン”発行による『がんサロン通信』にて、体験記・エッセイ執筆

★2010年9月
市広報にて体験記掲載

★2011年8月31日
乳がん体験記『4分の3の乳房(ちぶさ)』書籍自費出版

★2012年1月21日
講演『乳がん闘病記 ~「ありがとう」と「感謝」の気持ちに至るまで~』

★2012年4月5日
FMオホーツク『乳がんについて』FPとの対談

★2012年4月
キーストーンアライアンス『百年シナリオ通信』記事掲載

★2013年6月より
医療サイト『ドクターズガイド』、ブログ掲載

★2016年9月14日
フジテレビ『めざましテレビ ~がんの見落とし~』ブログ紹介・インタビュー放送

★2020年3月
一般社団法人全国がん患者団体連合会『がん教育外部講師講座』修了(北海道教育委員会にがん教育外部講師として登録)

★2021年10月
『がん予防功労者表彰』(道・市・健康づくり財団・対がん協会4社共催)

★2023年5月
北海道がん患者連合会『がん教育講師派遣養成研修会』終了

★その他
講演、ピンクリボン運動、ピアサポーターとして活動中

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★国家資格
1994年10月、調理師免許取得(食と健康を考える乳がん経験者)

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★子ども虐待防止『オレンジリボン運動』サポーター

メッセージはこちらへ
乳がん履歴
★2002年3月3日(日)
 左乳房にしこりをみつける  

★2002年3月4日(月)
 視触診の結果“良性”と診断

★2006年11月8日(水)
 左乳房のしこり再受診  

★2006年11月15日(水)
 左乳房のしこり一部切除
  (外科的生検)

★2006年11月28日(火)
 乳がん告知      

★2007年1月11日(木)
 左乳がん手術

★2008年7月8日(火)
 局所再発の疑いで、
 細胞診・組織診(結果は良性)

★2009年2月17日(火)
 対側(右)乳がんの疑い
 (前年からしこりあり)経過観察

★2010年2月16日(火)
 右乳房細胞診(結果は良性)
手術・治療の経緯
★がん細胞の種類(しこり3つ)
 ・明細胞がん(クリアセル)
  (化学療法・放射線が効かない稀ながん細胞)
 ・非浸潤性乳管がん

 ・核グレード 2
 ・ER 90%
 ・PgR 10%
 ・HER2 (-)

★術 式
 ・腋窩リンパ節郭清
 ・乳房扇状部分切除(4分の1強切除)

★治 療
 ・放射線23回照射
 ・LH-RHアゴニスト製剤、
  4週間毎、2年間(25回)投与
 ・抗エストロゲン剤(クエン酸タモキシフェン)、
  5年服用
その他の病歴
★2006年5月
 子宮筋腫(漿膜下筋腫)核出術(10㎝の開腹手術)
  ・10cmの筋腫  1個
  ・8cmの筋腫   1個
  ・2~3cmの筋腫 4個

★2023年7月18日
 ・臼蓋形成不全発覚(先天性)
 ・変形性股関節症発症(両足)
母の甲状腺がん(乳頭がん・転移性がん)
★2006年11月(私の乳がん告知の約2週間前)
 甲状腺がん告知

★2007年1月(私の乳がん手術の2週間後)
 甲状腺摘出手術・頸部リンパ節郭清

★2007年5月
 術後療法(RI治療・1回)
  通常2~3回の治療が必要なところ、
  1回の治療で身体の中にがんがないことが
  確認される

★2009年5月
 頸部再発(切除手術を受ける)

★2012年5月
 肺転移確認

★2015年5月
 小脳転移確認

★2015年7月18日
 永眠

  ※再発後の治療法・治療薬なし
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≪2015年9月2日より、コメント欄を閉鎖させていただいております≫

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   © Rikako,2011

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