主治医からは、
「20回くらいかけることになるよ」
そう言われていたのだが...
「おっぱいにがん細胞残ってるね。
念のためにあなたの場合、23回照射しましょう」
術後の検査の結果、やはりがんは残っていたのだ
放射線の先生に改めて言われると、ちょっとショッキング...
しかも私の場合、通常乳がんには見られない珍しいがん細胞ときてる
さらに違うがん細胞も混在している可能性もあった
『あんな思いまでして“温存”したけど、やっぱり間違ってたのかなぁ...』
そんな後悔が見え隠れする
確かに私の事例だと、“全摘”がセオリーだったのかもしれない
「悩んで“温存”にしたことは、良かったと思うよ」
以前、主治医にそう言われたことがある
私の不安、感じ取られちゃってたのかな...
でもその一言は、
患者にとっては嬉しくもあり、力強い言葉でもあった
...という訳で、放射線治療が始まり――
放射線は、上半身裸で台に仰向けに寝て、ただじっとしているだけ
照射自体は数分で済むし、痛くも痒くもなく、楽な治療ではある
ただ、腋窩リンパ節郭清をした人にとっては、けっこうつらかったりする
なぜかというと、
“バンザ~イ”の姿勢を取らなければならないからだ
腋窩リンパ節郭清をすると、腕が上がらなくなる
私もその術式を受けていたため、
その頃、90度ほどしか腕が上げられなかった私にとっては、
それが何よりつらかった
毎回確実に同じ場所に照射をするために、
当時、胸にはマーカーをつけられた
ペンのようなものに特殊なインクを付けながら、
おっぱい周辺に線を描いていくのだが...
これが、最初、とても滑稽に思われた
だって...
薄暗い照射室の中、
私は上半身裸で、台に“バンザ~イ”で横たわっている
胸には照射の場所を示す光が当てられて、ちょっと幻想的...
私が横たわっている台の両脇には、男性の放射線技師さん
そしてその台は、技師さんたちの胸の高さまで上げられ...
私は左右からその男性技師さんたちに
あらわになったおっぱいに、ペンのようなもので線を描かれる――
これがまた、ちょっと冷たくて、くすぐったい
さらに、私の足元にいる女性の看護師さんがその光景を見守っている...
それがなんかとっても奇妙な光景に思えてきて、
おかしくておかしくて、今にも笑い出してしまいそうだった
もう笑いをこらえるのに必死
『なんか、ヘンな“プレイ”してるみたい...』
そんなふうに感じてしまった私って...
1日2回、朝と午後に放射線を受けていた
それでも治療が終わるまでは3週間ほどかかってしまう
お風呂に入るときは、
なるべく描かれた個所をこすらないようにしてはいるものの、
やはりインクも当然薄くなっていく訳で...
週に一度は描きなおす作業が行われることになる
『あの光景が再び...?』
そんな、ちょっと恥ずかしくて、ちょっと面白い、
りかこの放射線体験でした――
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