末期がんだったらしい
がんが見つかった時には
すでに余命幾ばくもなく...
そんな知らせが来てから数日
あっという間の死だった
叔父は
一昨年に亡くなった母の弟
8人兄弟(本当は9人)の末っ子で、
母は昔から
この叔父のことを心配していた
少し遠くに離れて住んでいることもあり、
私も数えるほどしか会ったことがないけれど、
優しくて、
どこか淋しい感じがして、
大好きな叔父さんだった
そんな叔父に成り変わった、
オレオレ詐欺に、
両親はすっかり騙されたのだが...
幸い、私が詐欺に気づき、
詐欺は未遂に終わり、
犯人グループも逮捕され...
そんな過去の出来事を思い出し...
母が亡くなって、
叔父が駆けつけてくれたときのこと――
叔父は私の家に入るなり、
部屋に寝かされている母の傍らに
あぐらをかいた
そして、
顔にかけられている布をはずし、
母の顔をじっと見つめた
数分、見つめたあと、
叔父はそのまま重くこうべを垂れた
10分経っても20分経っても、
叔父は身じろぎもせず、
母の傍らでこうべを垂れ続けている
「叔父さん...」
と、そばに寄って、
声をかけようかとも思った
が、淋しく丸めた叔父の背中を
私はただ見つめることしかできなかった
そのまま、
どれくらいの時が経っただろう
30分...
いや、1時間...
きっと叔父は、
母と対話していたのかもしれない
あの、微動だにしなかった、
叔父の悲しい後ろ姿が
今でも私の脳裏に深く刻まれている
この2~3年、私の周囲で、
『がんが見つかった時には、
すでに余命数日』――
ということが何度も起きている
「やはり検診で早期に見つけることは
大切だ」
と、改めて思う
(なかなかそうはいかないこともあるが)
それと同時に、
“がんの怖さ”も感じずにはいられない
こんなとき、いつも思う
「がんは本当に
治る病気になりつつあるのか」と...
やっぱり怖い病気だ、
“がん”ってやつは――
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